事故同型機の特別点検へ＝済州航空にも監督官急派―韓国

　【ソウル時事】韓国南西部全羅南道の務安国際空港で１７９人が死亡した旅客機事故を受け、韓国国土交通省は３０日、事故機と同型のボーイング「７３７―８００」型機について、国内にある全機の安全性を確認する特別点検を行うと発表した。事故機を運航した格安航空会社（ＬＣＣ）済州航空にも航空安全監督官を緊急で派遣した。

　事故は２９日に発生した。乗客乗員１８１人が乗ったバンコク発の済州航空機が遭難信号を出した直後に空港に胴体着陸。滑走路を通り抜けて壁に衝突、炎上した。国交省によると、パイロットは遭難信号とともに鳥類に衝突したと空港に伝えていた。同省は、車輪（ランディングギア）が出なかった原因や、エンジンなどの機体故障の可能性を調べている。

　国交省は、現場から回収したブラックボックスの一部が破損していたが、解析を進めると明らかにした。米運輸安全委員会（ＮＴＳＢ）やボーイング社から職員の派遣を受け事故原因を合同で調べる。

　国交省幹部は記者会見で「７３７―８００は韓国で１０１機運用されている」と説明。「来月３日までエンジンやランディングギアといった主要系統の整備履歴を集中的に調査する」と強調した。

　韓国メディアによると、７３７―８００は小型のため、ＬＣＣで広く採用されている。韓国内では済州航空が最多の３９機を運用。ティーウェイ航空、ジンエアー、イースター航空、エア仁川、大韓航空などでも使われている。国交省は、稼働率や運航前後の点検と整備の記録などを調べる。　

［時事通信社］