M6クラス、数カ月おきに=周辺断層に新たなひずみか―専門家「数年以上注意を」・能登地震1年
時事通信 / 2024年12月31日 16時25分
能登半島周辺ではこの1年、マグニチュード(M)6クラスの地震が数カ月ごとに発生している。半島西方沖や金沢市直下などの活断層では新たなひずみが生じて地震のリスクが通常より高まっているとの指摘もあり、専門家は「数年よりもっと長い期間で注意が必要だ」と訴えている。
2024年11月26日には半島西方沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。M6.6は、この4年間では能登半島地震に次ぐ規模で、その後も震度1以上の余震が相次いでいる。
能登半島地震を引き起こした半島北東側の断層より西に震源があり、別の活断層が動いた「誘発地震」とみられる。近くには「羽咋沖西断層」(長さ約21キロ)があるが、現時点で同断層が動いたかどうかは分かっていない。
金沢大の平松良浩教授(地震学)は「1月の大地震で動いた断層のひずみは解放されたものの、北陸地方にある周辺の断層には新たなひずみが生じている」と指摘。新潟県・佐渡島周辺の「富山トラフ西縁断層」(長さ約61キロ)の一部や、金沢市直下を走る「森本・富樫断層帯」(長さ約26キロ)などでも地震のリスクがこれまでより高まっているとした上で、「震度6強、場所によっては震度7クラスの大きな地震が起きる可能性もある」と懸念する。
政府の地震調査委員会が同年8月に公表した長期評価によると、いずれもM7.0~7.8程度の地震を起こす恐れがあるとされている。
平松教授は「これらの断層帯の周辺では小さな地震が増加しており、大きな地震の発生確率も高まっていると言える」と強調。さらに「能登半島地震の余震が起こることもある」として注意を呼び掛けた。
[時事通信社]
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