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FRB議長、物価目標「達成に3年超も」 長期の緩和強調

ロイター / 2021年2月25日 7時52分

2月24日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、FRBによるデジタル通貨「デジタルドル」の開発や展開には、何らかの形で議会の承認が必要になり得るとの見解を示した。写真は2020年12月、議会公聴会に出席するパウエル議長(2021年 ロイター/Susan Walsh)

[ワシントン 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日、下院金融サービス委員会で開かれた公聴会で証言し、インフレ目標の達成には3年超の期間を要する可能性があるとの認識を示した。金利が長期間にわたり低水準にとどまるという見通しが再確認された格好だ。

米国債利回りの上昇やインフレリスクへの懸念が台頭する中、経済が明らかに改善するまで金融政策を変更しないというメッセージを発し、データを注視する姿勢を強調した。

パウエル議長はインフレ率が2023年まで目標の2%を下回って推移するというFRBの見通しに関する議員からの質問に対し、「FRBは直面する課題を率直に認めている」と応じた。その上で「目標を達成できると確信しているが、3年超の時間がかかる可能性がある」と述べた。

今春に見込まれる物価上昇は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の供給ボトルネックや、経済再開に伴う需要の急増を反映する可能性があるものの、政策対応を必要とするものではないとの認識も示した。

国民、特に債券市場投資家に対し、雇用回復が明確になるまで金融政策を引き締めないと改めて強調した格好だ。

米国が新型コロナワクチンの接種プログラムを拡大し、追加財政出動を計画すると同時に、パンデミック後の経済再開に向けて動く中、潜在的なインフレ高進リスクに関心が集まっており、米国債利回りはこのところ上昇している。

こうした中、パウエル議長や他のFRB当局者は「指標見極め」姿勢を崩していない。

議長は「われわれは予測で行動するわけではない」とし、「入手される実際のデータが、目標達成に近づいていることを示す必要がある」と発言。政策変更前に具体的な進展を確認する必要があると強調した。

SGHマクロ・アドバイザーズの米国担当チーフエコノミスト、ティム・デュイ氏は、FRBが予想より早期に危機局面の政策を解除する必要に迫られるとの見方が一部で出ているものの、こうした意見は雇用を優先するFRBの新たな枠組みを考慮していないと指摘した。

「FRBを以前の枠組みにはめようとすれば、FRBに先行することになる。FRBはそうした先走りを裏付けることはしないだろう」との見方を示した。

また「FRBはデータが政策転換の必要性を示すまで緩和的な政策を維持する方針であり、それには非常に長い時間がかかると想定している」とした。

パウエル議長は公聴会で、FRBによるデジタル通貨「デジタルドル」の開発や展開には、何らかの形で議会の承認が必要になり得るとの見解も示した。

今年はデジタルドル構想にとり重要な年になるとし、同構想を巡り社会との対話に取り組みたいと表明した。

さらに、FRBがデジタルドルを巡る「困難な」政策や技術上の疑問点を精査し、主にドル建てで取引が行われている主要市場の機能を阻害しないよう、慎重に行動すると強調した。

*内容を追加しました。

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