タイ中銀、金利据え置き緩和策を継続 今年の成長率予測引き下げ
ロイター / 2021年3月24日 19時59分
[バンコク 24日 ロイター] - タイ中央銀行は24日、政策金利の翌日物レポ金利を過去最低の0.50%に全会一致で据え置いた。据え置きは市場予想通りで7会合連続。ただ、新型コロナウイルス感染第2波で経済活動が打撃を受ける中、今年の経済成長率見通しを小幅に下方修正した。
中銀は声明で、景気は引き続き回復しているものの、リスクは高まっていると指摘。景気回復を支援するために低金利環境が必要との認識を示し、緩和的な金融政策を続けると説明した。
中銀は「景気の回復状況は、引き続き経済セクターによって異なる見通しだ」と述べた。
中銀は限られた政策余地を最も効果的な時期に使用できるように温存すべきで、政府は景気支援のために財政措置を継続すべきと改めて表明した。
ロイターのエコノミスト調査では、14人全員が据え置きを予想。中銀は2020年に3回利下げをしている。
中銀は今年の経済成長率見通しを3.0%とし、従来予想の3.2%から引き下げた。
クルンタイ銀行のエコノミストは「予想外のショック要因がない限り、主要政策金利は経済成長を下支えするため、現行水準で維持されるはずだ。観光業の回復ペースは速くないとみられる」と指摘。
カシコーン銀行の資本市場リサーチ担当責任者は、経済予測の下方修正について、観光業の回復にはさらに長い時間がかかることを示唆していると述べた。
中銀は今年の外国人観光客の予想を550万人から300万人に下方修正。昨年は670万人、2019年は4000万人近かった。
会見した金融政策委員会の高官は、第1・四半期の国内総生産(GDP)が前期比でマイナス成長になると予測。観光業の低迷が続いており、コロナ危機前の水準の回復は来年半ばになる可能性があると指摘した。
中銀は、バーツ相場について、他のアジア通貨の値動きに沿って推移していると指摘した。
中銀は今年の経常黒字を12億ドルと予想した。
輸出の伸びは10%と予想し、これまでの5.7%から上方修正した。
*内容を追加しました。
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