EV向け電動アクスル、年間150億円程度の赤字に=永守ニデック会長
ロイター / 2023年10月24日 14時3分
10月24日、ニデック(旧日本電産)の永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO、写真)は会見で、電気自動車(EV)向け駆動装置「イーアクスル」について「今期に黒字を見込んでいたが、年間で150億円の赤字が出る」との見通しを示した。写真は都内で2018年7月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Miho Uranaka
[東京 24日 ロイター] - ニデック(旧日本電産)の永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO)は24日の会見で、電気自動車(EV)向け駆動装置「イーアクスル」について「今期に黒字を見込んでいたが、年間で150億円の赤字が出る」との見通しを示した。中国で価格競争激化の影響を受けるほか、顧客層の広がりに合わせた製品ラインナップ拡充などの開発費がかさむ。
モーターと減速機、インバーターを一体化したイーアクスルについて、これまで中国一辺倒だったが日米欧などへも販売を広げていく考え。利益重視の姿勢を明確にし、車載事業の戦略方針を転換、永守会長は「健全な利益が出るように設計を見直す」とも述べた。
永守会長は中国での価格競争が激化し、製品の性能面での競争になっていないと指摘。「価値を認めてもらえない競争をやるべきではない」として、将来的には「15%の利益が出る」ように事業展開を進めると述べた。中国向けは、インバーターなども含めてすべて中国部品を活用することでコストを低減するなどして対応する。
今期の販売台数見通しは54万5000台から35万台に引き下げた。期初の94万9000台予想から2度目の下方修正となった。永守会長は、採算の取りにくい「注文は断っている」と説明した。
イーアクスルは、23年度3月期に300億円の営業赤字を計上していた。今期黒字化し、成長を見込んでいた同事業が足踏みすることにはなるが車載事業全体では黒字を確保する。
前日発表した2023年4―9月期の連結決算(国際会計基準)は売上高、利益ともに同期間で過去最高を更新、会社計画も上回ったが、事業環境の不透明感が高まっているとして通期予想は維持した。
第2・四半期(7ー9月期)の営業利益が直前四半期比で減少。車載事業の落ち込みが響いたこともありEVを取り巻く事業環境の先行き不透明感が嫌気され、24日の東京市場では同社の株価は一時10%超まで下落した。永守会長は会見で「株価が落ちても健全な利益を出す方が大事」と述べた。
(浦中美穂 編集:石田仁志、田中志保)
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