ＥＵ、中国風力発電産業巡る正式調査の準備整わず＝当局者

　１０月２４日、欧州連合（ＥＵ）は、中国の風力発電産業に対する正式な調査を開始するには不公正な慣行に関する十分な証拠が依然として不足しているという。写真は風力タービン。ポルトガルのサブガルで１月撮影（２０２３年　ロイター／Pedro Nunes）

Julia Payne

[ブリュッセル ２４日 ロイター] - 欧州連合（ＥＵ）は、中国の風力発電産業に対する正式な調査を開始するには不公正な慣行に関する十分な証拠が依然として不足しているという。ＥＵ当局者が明らかにした。

ロイターが先週入手した文書によると、ＥＵ欧州委員会は中国との競争激化を念頭に、急速に主導的地位を失いつつある域内の風力発電産業を支援する行動計画の一環として、外国の補助金を調査する方針。

欧州委は先月、国家補助金の恩恵を受けている中国から輸入される電気自動車（ＥＶ）対する関税導入の是非について調査を開始した。

ＥＵ当局者によると、ＥＶを巡る調査を受けて風力発電・水素電解槽産業に対する懲罰的措置をＥＵが直ちに検討することを中国は懸念している。しかし、欧州委は風力発電に関しては現段階で調査に乗り出す十分な根拠がないという。

同当局者は「不公正な慣行があるという非常に明確な証拠が必要だ」と指摘。欧州委は発電したときに支払う繰り延べ払いなど特に金銭的な条件について疑わしい報告を受けているが、貿易違反を立証する証拠ではないと述べた。