台湾副総統、鴻海調査巡り中国を非難 次期総統選の有力候補
ロイター / 2023年10月24日 14時6分
10月24日、台湾の頼清徳副総統は電子機器受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業に対する調査を巡り中国を非難した。中国は台湾企業を大切にするべきで、選挙期間中に圧力をかけるべきではないと指摘した。台北で2022年11月撮影(2023年 ロイター/Ann Wang)
[台北 24日 ロイター] - 台湾の頼清徳副総統は24日、電子機器受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業に対する調査を巡り中国を非難した。中国は台湾企業を大切にするべきで、選挙期間中に圧力をかけるべきではないと指摘した。
頼氏は来年1月の次期総統選に関する世論調査で他の候補をリードしている。
鴻海に近い関係筋は23日、同社が中国で税務調査を受けているとの報道内容を確認し、来年1月の台湾総統選に絡む政治的な理由から中国側に公表されたとの見方を示した。総統選には鴻海の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が無所属で出馬している。
頼氏は記者会見で鴻海に対する調査について問われ、中国は自国の経済発展への貢献を踏まえ台湾企業を大切にすべきだとし、「選挙期間中に台湾企業に圧力をかけ、立場を表明したり特定候補を直接支持したりするよう求める必要はない」と指摘。
台湾企業は中国に対する信頼感を失い、怖いと感じれば生産拠点を移すだろうとし、そうすれば中国にとって大きな損失になると述べた。
郭氏は23日夜に予定されていた選挙イベントを説明なく中止し、広報チームによると24日もイベントは予定されていない。
鴻海の株価は24日午前の取引で2%超下落。前日は2.9%安で引けていた。
頼氏は中国が台湾の民主的制度や総統選択を尊重し、対立から敬意ある対話の時代に移行すべきだと訴えた。
また、台湾海峡の現状を維持することが自身の「使命」だと改めて述べ、台湾の正式な独立を目指さない考えを示唆した。
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