米司法省がオルガリヒの3億ドル豪華ヨット没収を請求

１０月２３日、米司法省は金融制裁対象のロシア新興財閥（オルガリヒ）の富豪、スレイマン・ケリモフ氏の所有物と判断した３億ドル相当の豪華ヨットの没収をニューヨークのマンハッタンの連邦裁判所に請求した。没収が認められればオークションにかけ、売却収入をウクライナ支援に回す見通しだ。写真は米当局の要請でフィジーで押収されたロシア人所有の豪華ヨット。２０２２年６月、ハワイで停泊中に撮影（２０２３年　ロイター/Marco Garcia）

Luc Cohen

[ニューヨーク ２３日 ロイター] - 米司法省は２３日、金融制裁対象のロシア新興財閥（オルガリヒ）の富豪、スレイマン・ケリモフ氏の所有物と判断した３億ドル相当の豪華ヨットの没収をニューヨークのマンハッタンの連邦裁判所に請求した。没収が認められればオークションにかけ、売却収入をウクライナ支援に回す見通しだ。

ヨットは全長３４８フィート（１０６メートル）の「アマデア」。南太平洋のフィジーが２０２２年５月に米国発行の令状に基づいて押収した。現在はサンディエゴに係留されている。法廷では、ケリモフ氏の所有かどうかを巡って争いが長引く可能性がある。

ケリモフ氏はプーチン大統領に近い人物で、ロシア産金大手ポリウスの株主。１４年と１８年にシリアとウクライナでのロシア政府の活動に関与したとして、米政府は米金融システムへのアクセスを禁じた。その後、ロシア政府にウクライナ侵攻を止めさせる圧力の一環としてケリモフ氏に追加制裁を課している。

米司法省によると、ケリモフ氏は２１年にアマデアを購入。１００万ドル超のメンテナンス費用を支払った際、米金融機関を経由したため制裁関連の法律に違反したという。