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政策判断、内外市場や海外経済など確認する「時間的余裕」=植田日銀総裁

ロイター / 2024年9月24日 16時1分

 9月24日、日銀の植田和男総裁は輸入物価上昇に伴う物価上振れリスクは「相応に減少」しているとし、政策判断に当たって、内外の市場動向やその背後にある海外経済の状況を丁寧に確認していく「時間的な余裕はある」と語った。日銀本店で7月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[大阪市 24日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は24日、8月以降の為替円高で輸入物価上昇に伴う物価上振れリスクは「相応に減少」しているとし、政策判断に当たって、内外の市場動向やその背後にある海外経済の状況を丁寧に確認していく「時間的な余裕はある」と語った。

大阪経済4団体共催懇談会であいさつした。

植田総裁は、基調的な物価上昇率が見通しに沿って高まっていけば政策金利を引き上げて金融緩和の度合いを調整するとの基本姿勢を改めて示す一方で、実際の政策運営に当たっては、あらかじめスケジュールを定めるのではなく「さまざまな不確実性を踏まえた上で、適時・適切に行う必要がある」と話した。

その上で、米国経済を中心とした海外経済の動向や、引き続き不安定な状況にある金融資本市場の動向を「極めて高い緊張感」を持って注視すると語った。また、日本では長期にわたって低金利環境が続いてきたことから、経済・物価が金利の上昇にどのように反応するのか確認していくことも重要だと述べた。

米国が景気の大幅な減速を避けつつインフレ率が2%に向けて低下していくソフトランディング・シナリオをたどるなら「日本経済にとってポジティブに働く」とする一方、「今後の米国経済の展開は依然不確実だ」と指摘した。既往の利上げなどが労働市場に及ぼす影響が不確実だとしたほか、労働需給の緩和が個人消費に及ぼす影響もよく見ていく必要があると述べた。

基調的な物価上昇率については「2%に向けて徐々に高まっている」との見方を示した。ただ、今後、海外経済の動向などが企業収益や企業行動に影響を及ぼすことがないか丁寧にみていく必要があるとした。

多角的レビューについては、今後、金融政策決定会合で議論した上で年内をめどに結果を公表する予定だと述べた。多角的レビューの結果は「当面の金融政策運営に直ちに影響を与えるものではない」とし、「やや長い目でみて、金融政策のあり方を考える上で貴重な材料を提供するものになる」と話した。

<中小企業から「円安と金利上昇のダブルパンチ」との声>

植田総裁はあいさつ後、出席した関西地方の経済界の代表者らと懇談した。この中で、ある中小企業の経営者は「(1ドル)120円前後が望ましく、過度な円安では正常な事業運営が困難だ。円安と金利上昇のダブルパンチは中小企業の許容範囲を超えている」と述べ、中小企業に配慮した政策運営を求めた。

植田総裁は「原材料価格高騰や人手不足の強まりを受けて、経営の厳しさが増しているとの声が少なくないことは十分認識している」とし、さらに中小企業の実情や経営を取り巻く環境を丁寧に点検していきたいと話した。

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