豪中銀は金利据え置き、「利上げ議論せず」 タカ派姿勢やや緩和
ロイター / 2024年9月24日 17時32分
9月24日 オーストラリア準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを市場の予想通り12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。写真は2018年2月、シドニーで撮影(2024年 ロイター/Daniel Munoz)
Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを市場の予想通り12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。目先の利下げはあり得ないとあらためて表明したが、利上げについては議論されなかったとし、タカ派姿勢を和らげた。
ブロック総裁は会見で、理事会は利上げを「明確には」検討しなかったと発言。タカ派的なメッセージを変更すべきかどうかについては議論したとし、短期的に利下げを見送るというのが理事会からの明確なメッセージだと述べた。
中銀の決定を受け、豪ドルは一時、9カ月ぶり高値となる0.6869米ドルを付けたが、その後のブロック総裁の発言を受けて0.6820米ドルに下落した。金利先物市場が織り込む年内の利下げ確率は72%に若干上昇した。
中銀は8月会合時とほぼ同様の声明で、総合インフレ率は当面低下が見込まれるが、基調インフレ率は物価上昇の勢いを示しており、依然として高すぎると指摘。「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要があることをそれ以降のデータが裏付けており、理事会は何も決定しておらず何も排除していない。インフレ率が目標範囲に向かって持続的に推移していると確信するまで、政策は十分に制限的である必要がある」とした。
基調インフレが依然として堅調であり、労働市場が好調を維持していることから、市場では金利据え置き予想が大勢だった。豪中銀は昨年11月から金利を据え置いている。
前四半期の基調インフレ率は3.9%で高止まりし、労働市場では多くの雇用が創出されていることから、豪中銀は米連邦準備理事会(FRB)が先週行ったような50ベーシスポイント(bp)という大幅利下げを急ぐ必要はないようだ。
豪中銀は利下げで他の主要中銀に後れを取っており、中銀に緩和策を求める政治的圧力は高まっている。
AMPのチーフ・エコノミスト、シェーン・オリバー氏は「豪中銀は、前回の会合から十分な変化がなかったため、利上げを明確に検討しなかったが、中銀の文言は引き続きややタカ派寄りだ」と指摘。「利上げはピークに達したと見られ、最初の利下げは来年2月になるだろう。だが、失業率がさらに急上昇し、基調インフレ率がさらに急低下すれば、豪中銀のガイダンスに反しても、年内利下げの可能性はある」と述べた。
市場は25日発表の8月のインフレ統計に注目している。政府による電気料金値下げで総合インフレ率は2.7%に鈍化する可能性が高いが、コア指数は引き続き根強いインフレを示す可能性がある。
ブロック総裁は、あす発表のインフレ率が2%台になったとしても、それはインフレ率が目標レンジ内に持続的に収まっていることを意味しないと述べ、政策緩和を急がない方針を示唆した。
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