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BRICS首脳、制裁撤廃要求 共同穀物取引所や越境決済で合意

ロイター / 2024年10月24日 10時36分

ロシアや中国、インドなどで構成するBRICS首脳が23日採択した「カザン宣言」では、ロシアなど一部加盟国に科された制裁の撤廃を求めたほか、BRICS穀物取引所や越境決済システムなど基本合意された共同プロジェクトが示された。写真は7月9日、ロシアのロストフで撮影(2024年 ロイター/Sergey Pivovarov)

Vladimir Soldatkin Gleb Bryanski

[カザン(ロシア) 23日 ロイター] - ロシアや中国、インドなどで構成するBRICS首脳が23日採択した「カザン宣言」では、ロシアなど一部加盟国に科された制裁の撤廃を求めたほか、BRICS穀物取引所や越境決済システムなど基本合意された共同プロジェクトが示された。

ロシアのプーチン大統領は、2024/25年のBRICS諸国の平均経済成長率は3.8%で、世界の成長率は3.2─3.3%になると予想。「BRICSが世界経済で主導的な役割を果たす傾向はさらに強まるだろう」と述べ、その主な要因として人口増加、都市化、資本蓄積、生産性向上を挙げた。

カザン宣言は、ロシアやイランを含むBRICSの一部加盟国に科された「一方的な制裁措置」が対象国の最貧困層の人々を苦しめていると非難し、その撤廃を求めた。

プーチン氏は会議で「BRICS諸国は世界有数の穀物、豆類、油糧種子の生産国であることから、BRICS穀物取引所の開設を提案した」と説明。 この取引所は「食料安全保障の確保という特別な役割を考慮すれば、製品や原材料の公正で予測可能な価格指標の形成に貢献する」と述べた。取引対象はいずれ原油やガス、金属などに拡大する可能性がある。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、カザフ宣言がウクライナ問題にほとんど触れなかった理由をラジオで問われると、BRICSにとってウクライナは中心的な問題ではないと答えた。

一方、ウクライナ外務省はこれについて、ロシアが対ウクライナ戦争を巡る自国の見解を他の参加国に押し付けられなかったことを示すものとの見方を示した。

BRICS首脳はまた、ドル支配の世界金融システムを回避して相互に貿易できるようにする、共通の越境決済システムの構築を支持した。

ブラジルのルラ大統領はオンラインで首脳会議に参加し、BRICS諸国が代替決済手段を構築する時が来たと述べた。

インドのモディ首相は、BRICS諸国の金融統合に向けた歩みを歓迎すると述べ、中国の習近平国家主席はBRICS諸国の金融・経済協力の深化を促した。

プーチン氏は演説の中で、BRICS投資プラットフォームの創設も呼びかけた。このプラットフォームはBRICS諸国間の相互投資を促すもので、グローバルサウスの他の国々への投資にも利用できる。

カザン宣言は世界的なドル支配の問題やBRICS単一通貨、暗号通貨に言及しなかった一方、「BRICS諸国とその貿易相手国との取引で自国通貨を使用することを歓迎する」とした。

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