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BRICSが米ドル代替との見方に疑問=名付け親のオニール氏

ロイター / 2024年10月24日 13時57分

ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を「BRIC」と名付けた米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)の元チーフエコノミスト、ジム・オニール氏は、新興国グループ「BRICS」が米ドルに取って代わる決済手段を持つ経済クラブになるとの見方に対し、幻想に終わるだろうと疑問を呈した。写真はオニール氏。ロンドンで2011年撮影。(2024年 ロイター/Benjamin Beavan/File Photo)

Guy Faulconbridge

[モスクワ 23日 ロイター] - ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を「BRIC」と名付けた米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)の元チーフエコノミスト、ジム・オニール氏は、新興国グループ「BRICS」が米ドルに取って代わる決済手段を持つ経済クラブになるとの見方に対し、中国とインドの関係が分断し、貿易での協力を拒んでいる限りは幻想に終わるだろうと疑問を呈した。

オニール氏はロイターのインタビューで「BRICSが正真正銘の世界経済クラブになれるという考えは(非現実的で)、まるで妖精たちと一緒にいるようなものだ」と皮肉り、BRICSが「自分たちのことをある種の代替をするグローバルな存在だと考えているのは非常に不愉快だ」と切り捨てた。

さらに、BRICS首脳会議は「ロシアや中国のようなうるさい国々を中心とする重要な新興国が集まり、米国抜きのグループに加わるのは良いことで、グローバルガバナンスは十分でないと強調している象徴的な年次総会」に過ぎないとの見方も示した。

BRICSは現在、世界人口の45%、購買力平価ベースで世界経済の35%をそれぞれ占めているが、中国がBRICSの半分超を占めているのが実態だ。

ロシアのプーチン大統領は23日のBRICS首脳会議で、30カ国を超える国々がBRICSへの加盟に関心を示していると意気込んだ。だがオニール氏は、加盟国拡大が成果達成をさらに難しくするとの見解を示した。

オニール氏は「私の額に押されたミスターBRICSのスタンプは永久に続く」と語り、BRICSが過去15年間にほとんど何も成し遂げていないと指摘。中国とインド、さらにロシア、ブラジルなくして西側諸国が真の世界的な課題を解決することは不可能なのと同じように、BRICSも米国と欧州なくしては解決が不可能だと言及した。

<ドルに挑戦>

ウクライナに侵攻したロシアに西側諸国が制裁を科しているのを受け、ロシアはBRICS加盟国に対し、制裁の影響を受けない国際決済の代替手段を構築することを説得しようとしている。

オニール氏は自身が金融界に入った時から米ドルの代替について語られてきたが、ドルに挑戦できる可能性がある国々はどこも真剣に取り組んでこなかったと紹介。BRICSとしての通貨ができるとすれば、中国に大きく依存したものになり、ロシアとブラジルは重要な部分を占めることにはならないとの見解を示した。

BRICSの課題は明確な目標がないことだとも指摘し、感染症を予防するワクチンや医薬品の開発、気候変動問題への対策といった人類にとって重要な問題に取り組むべきだと訴えた。

自身はBRICSという存在を「中国とインドという本当に重要な2カ国が常に事実上対立しようとするのではなく、実際に物事に合意しようとする兆しが見えた時に真剣に受け止める」と説明した。

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