レバノン支援に10億ドル拠出、パリで国際会議 早期停戦は期待薄
ロイター / 2024年10月25日 8時20分
フランスのパリで24日、レバノン支援に関する国際会議が開かれ、同国のミカティ暫定首相(左)は停戦に向けた協力を要請した。マクロン仏大統領と23日撮影。(2024年 ロイター/Stephanie Lecocq/File Photo)
John Irish Maya Gebeily
[パリ 24日 ロイター] - フランスのパリで24日、レバノン支援に関する国際会議が開かれ、人道支援などに10億ドルを拠出することで合意した。フランスのバロ外相はイスラエルに対し、停戦のメッセージに耳を傾け、外交に集中するよう求めた。
会議には約70カ国と15の国際機関の代表が集まったが、高官の派遣を見送った米国の存在感は薄く、大統領選も近いことから、近く停戦が実現する公算は小さい。
バロ外相によると、米国が拠出する3億ドルを含む8億ドル以上が主に100万人の避難民に対する食糧や医療、教育の提供に充てられる。
2億ドルがレバノン軍(LAF)に支給される。LAFは国内の安定を図ると見なされており、2006年に採択された国連安全保障理事会決議1701の実行にも不可欠とされる。同決議はレバノン南部にレバノン政府以外の軍隊や武器を配備しないことを求めている。
フランスはレバノンと歴史的なつながりがあり、アプローチが異なるものの停戦確保に向けて米国と協力してきた。
レバノンのミカティ暫定首相は「われわれが現在目撃している嵐は、他のどんな嵐とも異なる。わが国だけでなく、あらゆる人間の価値に対する完全な破壊の種を運んでいるからだ」と述べた。
その上で新兵を含む軍隊の強化や、破壊されたインフラの再建のために、国際的な支援が必要だと呼びかけた。
マクロン仏大統領は会議冒頭、レバノンが過去に戻ることはなく、平和維持に失敗した国連安全保障理事会の決議を完全に実施する必要があると強調した。
「レバノンでは停戦が必要だ。被害や犠牲者、攻撃が増えてもテロを終わらせることはできず、全ての人の安全確保もできない」と訴えた。
パリ会議の焦点は、2006年安保理決議に基づいて、停戦を実現させることにある。
しかし米国のブリンケン国務長官は会議を欠席し、和平に向けて中東歴訪を続けた。地域大国のサウジアラビアはレバノン問題への関与に消極的で、次官を派遣するにとどまった。
パリ会議を批判したイスラエルのネタニヤフ首相は招かれず、イランも招待されなかった。
マクロン氏はフランスが1億ユーロ(1億0800万ドル)の支援を行うと述べた。ドイツは9600万ユーロを拠出すると表明した。
レバノンは危機に対処するために毎月2億5000万ドルが必要だとしている。
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