イタリア財政赤字、今年は対GDP比で10.4%に=政府文書草案
ロイター / 2020年4月24日 10時59分
イタリア政府は、今年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比目標を10.4%とするほか、公的債務の対GDP比が155.7%に上昇すると見込んでいる。写真はコンテ首相。4月21日、ローマの議会内で撮影(2020年 ロイター/Remo Casilli)
[ローマ 23日 ロイター] - イタリア政府は、今年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比目標を10.4%とするほか、公的債務の対GDP比が155.7%に上昇すると見込んでいる。
24日に内閣が承認すると見込まれる「経済財政文書(DEF)」の草案をロイターが入手した。新型コロナウイルス流行に伴う経済への打撃が反映される。
昨年の財政赤字対GDP比は1.6%と、12年間で最も低い水準だった。公的債務の対GDP比134.8%は、既にギリシャに次ぐユーロ圏で2番目の高水準。
今年の債務目標は、戦後で最も高い水準となる。財政赤字比率が前回2桁に達したのは1990年代序盤だ。
イタリアはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の打撃を最も受けている国の1つ。死者は2万5000人を超え、米国に次いで世界で2番目に多くなっている。
DEF案では、政策シナリオに変更がないとの条件下で、今年の経済成長率がマイナス8.0%になると予想。これには月内に政府が承認する見込みの景気刺激策の影響が盛り込まれていないため、マイナス幅は最終的にいく分縮小する可能性がある。
同案によると、景気刺激策の規模は約550億ユーロ(595億ドル)となる見通しで、先に政府筋がロイターに明らかにしていた規模と一致している。
また、第1・四半期のGDPが前四半期比で5.5%縮小すると予想。第2・四半期は10.5%の縮小を見込んでいる。ただ、第3・四半期は9.6%成長に反転拡大し、第4・四半期も3.8%のプラス成長を見込む。
一方、不透明感が増していることを考慮した最悪ケースシナリオでは下半期の回復が鈍くなり、通年のGDPは10.6%縮小し、2021年の成長率も2.3%にとどまるとした。
基本シナリオでは「来年第1・四半期までにCOVID-19のための大規模なワクチンが開発されていることを想定」している。
来年は財政赤字の対GDP比が5.7%に低下すると見込まれているほか、公的債務を対GDP比で152.7%まで低下させることを目標としている。GDP伸び率は政策シナリオに変更がないとの条件の下で4.7%となる見通し。
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