自民グループ活発化、政局に備え=勉強会・議連、派閥単位も
時事通信 / 2025年1月5日 14時32分
自民党で、党内政局に備えた議員グループの動きが活発化している。派閥解散を踏まえ、政策実現を前面に掲げた議員連盟や勉強会が次々と開かれるほか、従来の派閥単位の集まりも続く。不安定な政権運営を強いられる石破茂首相(党総裁)の足元で、次を見据えた駆け引きが始まっている。
高市早苗前経済安全保障担当相は昨年12月、保守系議員らでつくる「保守団結の会」の懇談会に出席。先の総裁選で高市氏を支持した議員が多く参加し、高市氏は「もう一回みんなで結集して頑張ろう」と呼び掛けたという。関係者によると、高市氏は新たな政策勉強会の発足を検討している。
懇談会では、自民以外の与野党に導入論が広がる選択的夫婦別姓制度導入への反対論が相次いだ。高市氏らは参院選をにらみ、保守層へのアピールを強める考えとみられる。
小林鷹之元経済安保相は国家ビジョンを議論する勉強会を新設し、今月下旬に次回会合を開く予定だ。12月の初会合には総裁選で小林氏を支援した中堅・若手議員に加え、浜田靖一衆院議院運営委員長、石井準一参院国対委員長らベテランも含め約30人が出席。小林氏はインターネット番組で「いずれ総裁選はある。挑戦できるように仲間との関係をつくっておく」と意欲を示す。
岸田文雄前首相は石破政権を支える姿勢を示しつつ、グループ活動に精力的だ。アジア脱炭素化に向けた議員連盟の最高顧問に就任し、設立総会で「多くの皆さまと議論し、行動していきたい」と述べた。同議連には萩生田光一元政調会長、小泉進次郎元環境相らが顔をそろえた。
岸田氏が発足させた「資産運用立国議員連盟」には側近の木原誠二選対委員長や茂木敏充前幹事長らが参加。首相退陣後も旧岸田派議員らと会食を重ねる。同派に所属した議員の結束に努めながら、党内の実力者との連携を探っているもようだ。
旧茂木派や旧二階派の議員も会合を開き、求心力維持に余念がない。ただ、派閥解消の引き金となった裏金事件は幕引きできていない。「古い自民党」の象徴とされた派閥政治の復活には、参院選を控え「有権者にどう映るのか」(麻生派中堅)との懸念の声も漏れる。党幹部は「次を見据えるのは早い。先を走れば転ぶこともある」と述べ、「ポスト石破」を巡る党内の動きをけん制した。
[時事通信社]
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