シリアの「脱独裁」疑問視=現在も弾圧横行―人権監視団代表
時事通信 / 2025年1月7日 17時52分
【カイロ時事】シリア国内で独自の情報網を持つ在英のNGO、シリア人権監視団のラミ・アブドルラフマン代表は6日、時事通信のオンラインでのインタビューに応じ、シリア暫定政府の実質的な指導者シャラア氏は元来「独裁者だ」と強調。現在もシリアで弾圧が横行していると指摘し、暫定政府による宗教・民族融和路線の推進を疑問視した。
1カ月前のアサド政権崩壊後、旧反体制派の暫定政府は政治犯として逮捕されていた多くの人々を刑務所から解放した。シャラア氏は少数派や女性の権利を尊重する姿勢を示し、強権的なイスラム過激派というイメージの払拭を図っている。
しかし、アブドルラフマン氏は、暫定政府を主導するシリア旧反体制派の主力組織「シャーム解放機構」(HTS)がアサド政権崩壊前から支配していたシリア北西部の刑務所は、かつて抗議活動への参加などHTSに反抗して捕らえられた人々で「満杯だ」と指摘。暫定政府メンバーが旧政権の基盤だったイスラム教アラウィ派の人々を殺害する事例が相次いでることを挙げ、国内外に向けた「(暫定政府は穏健派だという)プロパガンダ」の陰で抑圧が続いているとの見解を示した。
アブドルラフマン氏は、こうした人権侵害が続く中では、宗教・民族対立が続く「シリアの統合はない」と断言。暫定政府の閣僚にイスラム教スンニ派のイスラム主義者が多く登用される状況が続けば「シリアはイスラム法に基づく国家になるだろう」と述べ、民主化推進は難しくなると警告した。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
民族対立、内政干渉…「イラクの二の舞」防げるか シリア・アサド政権崩壊から1カ月
産経ニュース / 2025年1月7日 18時29分
-
シリア暫定政府、外交活発化=国家再建へ国際承認急ぐ
時事通信 / 2025年1月7日 17時39分
-
新生シリア、分断解消見通せず=アサド政権崩壊から1カ月
時事通信 / 2025年1月7日 17時25分
-
平和的体制移行求める=仏独外相がシリア訪問
時事通信 / 2025年1月4日 6時32分
-
最後までアサド政権のために戦った者は皆無だった――政権崩壊に故郷を離れたシリア人たちの歓喜「幸福感で夜も眠れない」
集英社オンライン / 2024年12月15日 13時0分
ランキング
-
1中国の戦狼外交は「大失敗」「孤立していった」 駐日米大使、各国との連携網構築を強調
産経ニュース / 2025年1月9日 18時8分
-
2ロサンゼルス山火事、急な避難指示で車を乗り捨て脱出する住民も…雨季なのに「異常な乾燥」8か月
読売新聞 / 2025年1月9日 17時9分
-
3邦人被告、核物質密輸の罪認める=「ヤクザ」幹部、ミャンマー武装勢力と共謀―米裁判
時事通信 / 2025年1月9日 14時28分
-
4チベット地震 被災者は6万人超える AIを使った「偽物救出映像」に批判も
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月9日 19時22分
-
5バイデン氏、米大統領史上初の曾祖父に 山火事の会見で「いい知らせ」発表に批判も
産経ニュース / 2025年1月9日 17時37分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください