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中国、「汚職との戦い徹底」=反腐敗継続を宣言―習氏、体制引き締め狙う

時事通信 / 2025年1月8日 21時9分

 【北京時事】中国共産党で汚職摘発を担う中央規律検査委員会の総会が8日、「汚職との戦いを徹底する」とのコミュニケを採択し閉幕した。習近平政権は体制の引き締めを図るため、高官の不正を暴く反腐敗闘争を継続すると宣言した。

 コミュニケは、金融や医薬、インフラ建設などに関わる高官らを重点対象に挙げ、「新たな腐敗や隠れた腐敗を調査する」と表明。さらに、国民生活の身近な不正も取り締まる方針を示した。習氏は6日の開幕日の演説で、反腐敗闘争について「持久戦だ」と指摘。「腐敗は党が直面する最大の脅威だ」と訴えており、摘発を続ける構えだ。

 中国では昨年、唐一軍前司法相や唐仁健前農業農村相ら政府高官が次々と摘発された。国営新華社通信によると、昨年、立件された閣僚や省トップ級の幹部は58人に上った。習氏は2012年の党総書記就任以来、汚職摘発に力を入れてきたが、今も腐敗が後を絶たないことが浮き彫りとなっている。

 特に、軍の汚職は深刻だ。23年夏以降、李尚福前国防相、前任の魏鳳和元国防相が相次いで摘発された。昨年11月には、軍の最高指導機関である中央軍事委員会のメンバー、苗華委員が「重大な規律違反」の疑いで調査を受けていることも明らかになった。香港メディアは司令官クラスの複数の幹部に異変が起きたと伝えており、大規模な調査が続いているとみられる。

 習氏が主導する反腐敗闘争は、単なる不正の追及にとどまらず、政敵を失脚させ党内の結束を高めることに真の狙いがあるとみられている。ただ、汚職が根絶されないことを内外に示す形となっており、国民の党への信頼を揺るがす恐れもある。国営中央テレビは総会に合わせて、特集番組を連日放映。唐一軍氏らが謝罪する様子や汚職調査の過程を伝え、「党の自浄能力」のアピールに躍起となっている。 

[時事通信社]

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