建物損壊9000棟超、死者5人=18万人避難命令、警戒続く―LA山火事、「甚大な被害」と米大統領
時事通信 / 2025年1月10日 12時47分
【シリコンバレー、ワシントン時事】米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の複数地域で発生した山火事で、地元当局は9日、損壊した家屋などの建物が計9000棟を超えると発表した。約18万人に避難命令が出ており、依然警戒が必要な状況だ。少なくとも5人が死亡し、負傷者も多数出ているが、人的被害の全貌を把握するには時間がかかりそうだ。米メディアは死者が計7人になったと報じたが、当局の訂正を受けて修正した。
バイデン大統領は9日、ホワイトハウスで会議を招集し、「カリフォルニア史上、最も広範囲にわたって甚大な被害をもたらしている火災だ」と指摘。被災者らに「あなた方と共にある」と呼び掛け、必要な物資の提供など対応に全力を尽くす考えを表明した。
地元警察幹部は9日朝の記者会見で「爆弾が落とされたようにも見える地域がある」と述べた。焼失面積は計約120平方キロメートルに及ぶ。死者数については「誤りであることを祈るが、増えるだろう」と語った。
火災は7日、3カ所で発生。強風にあおられ、火の手が広がった。8日にも新たに山火事が発生し、米アカデミー賞授賞式が開かれる「ドルビー・シアター」などを含むハリウッドの一部地域にも避難命令が出た。消火活動が奏功しこの地域の焼失面積は抑えられ、命令は9日朝までに解除された。
当局は、放火事件の担当捜査官らが火災の原因を調べていると説明した。強風、大規模な干ばつなど悪条件が重なり、急速に火の手が広がったもようだ。また、避難対象地域では窃盗容疑などで20人余りが逮捕された。
在ロサンゼルス日本総領事館によると、ロサンゼルス都市圏で約6万5000人の日本人が在留届を出している。人的被害は確認されていないが、家屋が破損したとの報告があるという。
[時事通信社]
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