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基礎的財政収支、赤字見込みに=25年度、黒字化予想から一転―政府試算

時事通信 / 2025年1月14日 22時7分

 政府が、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が2025年度に赤字となる試算をまとめたことが14日、分かった。昨年7月公表の試算では、目標年度である25年度に黒字化する見通しを示していたが、総合経済対策に伴う歳出の膨張により、再び赤字見込みに転落する。近く開催する経済財政諮問会議に提出する。

 PBは社会保障や公共事業など政策の経費を借金に頼らず、税収などでどの程度賄えているかを示す指標。小泉純一郎政権下で黒字化を政府目標として掲げたが先送りを繰り返し、現在は25年度の達成を目指している。

 昨年7月の試算では、好調な企業業績による税収増や歳出改革努力の継続、総合経済対策の裏付けとなる補正予算の執行が24年度中に進むことなどを前提に、PBは25年度に8000億円程度の黒字になると見込んでいた。

 一方、昨年10月の衆院選で自民、公明両党が敗北して少数与党となって以降、今年夏の参院選も見据え与野党から歳出拡大圧力が強まっている。

 低所得者向け給付金や光熱費補助などを盛り込んだ24年度補正予算は、コロナ禍前の補正予算の規模を大きく上回った。歳出の「平時化」が進まなかった結果、今回のPB見通しの悪化につながった可能性がある。

 日本の名目GDP(国内総生産)比の債務残高は先進国で最悪水準とされる。今後は「金利のある世界」の到来による国債の利払い費増加も見込まれる中、財政健全化は喫緊の課題となっている。 

[時事通信社]

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