「米をかつてなく偉大に」＝トランプ大統領就任へ―首都集会、移民送還を宣言

　【ワシントン時事】米大統領選で返り咲きを果たした共和党のドナルド・トランプ氏（７８）が２０日正午（日本時間２１日午前２時）、第４７代大統領に就任する。トランプ氏は１９日、首都ワシントンで就任前の集会を開き、「米国をかつてないほど偉大にする」と訴えた。

　トランプ氏は演説で「無能で腐敗したワシントンの支配階級の治世を終わらせる」と民主党のバイデン大統領が進めてきた路線との決別を宣言。「米国の衰退の４年間が幕を閉じ、強さと繁栄、誇りに満ちた新たな日々が始まる」と述べた。

　就任初日に多くの大統領令に署名すると表明し、優先的に取り組む政策課題を列挙した。特に力を入れて説明したのが不法移民対策で、「米国史上最大の強制送還作戦を始める」とし、「世界が今まで見たこともないような、最も激しく徹底したやり方で国境を回復する」と主張した。

　経済政策に関しては「減税を行い、インフレを終わらせ、物価を引き下げ、賃金を上げ、関税と賢い政策によって多くの工場を米国に戻す」と強調。「エネルギーを増産する」とも語り、環境規制を削減する方針を示した。中国系短編動画投稿アプリ「ＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）」の米企業による支配にも言及した。

　また、連邦政府の多様性推進プログラムの終結、ケネディ元大統領の暗殺に関する記録の全面公開、性転換した選手の女子スポーツからの排除も約束した。ＦＯＸニュースによると、トランプ氏は初日に２００件以上の大統領令に署名する。

　就任式は２０日にワシントンの連邦議会議事堂で行われる。厳しい寒さを受け、レーガン元大統領以来４０年ぶりの屋内開催となる。宣誓後に就任演説に臨み、大統領令への署名も行う。　

［時事通信社］