トランプ米大統領の就任演説全文(2)
時事通信 / 2025年1月21日 17時11分
私のリーダーシップの下、合憲的な法の支配の下で、公正、平等、公平な正義を回復する。そして法と秩序を取り戻す。
今週、私は人種とジェンダーを公私生活のあらゆる側面へ社会的に持ち込もうとする政府の政策も終わらせる。白人と有色人種を区別しない、能力主義の社会を築く。米政府の公式方針として、きょうから性別は男女の二つのみとする。
新型コロナウイルスワクチン接種の義務化に反対したために不当に除隊された軍人を復職させ、未払い賃金を全額支給する。そして、わが国の戦士たちが任務中に過激な政治理論や社会実験にさらされるのを直ちに止める命令に署名する。米軍は米国の敵を倒すという唯一の任務に集中できるようになるだろう。
2017年のように、世界がこれまでに見たことのない最強の軍隊を再び構築する。勝利した戦争だけでなく、終わらせた戦争、そして恐らく最も重要なこととして、一切参加しなかった戦争によって成功を評価することになる。
私が最も誇るレガシー(政治的遺産)は、平和の構築者と団結させる者になるだろう。平和を構築し、団結させる者になりたい。私の就任前日であるきのうから、中東で人質が家族の元に戻り始めているのは喜ばしい。米国は、地球上で最も偉大で強力、最も尊敬される国家としての正当な地位を取り戻し、全世界の畏怖と称賛を呼び起こすだろう。
これからすぐに、メキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更し、偉大な大統領ウィリアム・マッキンリーの名前を復活させ、(デナリ山の名称を)マッキンリー山に戻す。それが本来あるべき場所、所属する場所だ。
マッキンリー元大統領は、関税と才能を通じて米国を非常に豊かにした。彼は生まれながらのビジネスマンで、彼がもたらした資金によりテディ・ルーズベルト元大統領は多くの偉業を成し遂げることができた。その中にはパナマ運河も含まれるが、愚かにも米国からパナマの手に渡ってしまった。
米国はパナマ運河建設にかつてないほどの巨額の資金を費やし、3万8000人の命を失った。私たちは、決してするべきではなかったこの愚かな贈り物によって非常にひどい扱いを受け、パナマがわれわれにした約束はほごにされている。われわれの取引の目的と、条約の精神は完全に侵害されている。米国の船舶はひどい過剰請求を受け、いかなる方法、形態においても公平に扱われていない。これには米海軍も含まれる。中国がパナマ運河を運営しているが、われわれは中国ではなくパナマに運河を与えたのだ。米国は運河を取り返す。
何よりも、米国民への私のメッセージは、再び勇気と力強さ、歴史上最大の文明の活力をもって行動する時が来たということだ。国家を解放し、勝利と成功の新たな高みへと導いていく。われわれはひるまない。力を合わせて慢性疾患のまん延を終わらせ、子供たちの安全と健康を維持し、病気から守る。米国は再び成長する国家となり、富を増やし、領土を拡大し、都市を建設し、期待を高め、新しく美しい地平線に国旗を掲げていく国家になる。
宇宙に対する明白な天命を追求し、米国人宇宙飛行士が火星に星条旗を立てる。野心は偉大な国の活力源であり、現在、米国は他のどの国よりも野心にあふれている。わが国のような国は他にない。
米国民は探検家、建設者、革新者、起業家、そして先駆者だ。フロンティアの精神がわれわれの心に刻まれている。次なる大冒険の呼び声が魂の内側から響いている。米国民の先祖は、広大な大陸の端にあった小さな植民地群を、地球上で最も並外れた国民から成る強大な共和国に変えた。誰も足元に及ばない。
米国民は、手つかずの自然が広がる荒れた土地を何千マイルも突き進んだ。彼らは砂漠を横断し、山を越え、計り知れない危険に立ち向かった。西部地方を勝ち取り、奴隷制度を終わらせ、何百万もの人々を圧政から救い出し、何十億もの人々を貧困から救い出した。電気を利用し、原子を分裂させ、人類を天に打ち上げ、人間の知識の宇宙を人々の手のひらの上にもたらした。われわれが力を合わせればできないことは何もなく、達成できない夢もない。
多くの人は、私がこれほど歴史的な政治的復帰を果たすことは不可能だと考えていた。しかしご覧の通り、私はここにいる。米国民は声を上げた。私は今、不可能なことは何もないという証拠として立っている。米国は不可能を可能にするのが最も得意だ。
ニューヨークからロサンゼルス、フィラデルフィアからフェニックス、シカゴからマイアミ、ヒューストンからここワシントンまで、わが国は権利と自由のために全てをささげた何世代にもわたる愛国者たちによって築かれてきた。彼らは農民であり兵士であり、カウボーイであり工場労働者であり、鉄鋼労働者であり炭鉱労働者であり、警察官であり開拓者だった。いかなる障害も彼らの心やプライドを打ち破ることはできず、彼らは前進し続けた。力を合わせて鉄道を敷設し、高層ビルを建設し、大きな高速道路を建設し、2度の世界大戦に勝利し、ファシズムと共産主義を打ち破り、直面するあらゆる課題に勝利した。
われわれは共に乗り越えてきたすべてのことを経て、米国史上最も偉大な4年間を目の前にしている。あなた方の助けで米国の約束を回復し、愛してやまない国を再建する。われわれは神の下の一つの国民、一つの家族、そして一つの栄光ある国家だ。子供のために夢を抱くすべての親、そして自分の将来を夢見るすべての子供たちへ、私はあなたたちと共にいる。あなたたちのために戦い、勝利する。われわれはこれまでにない勝利を手にする。
近年、わが国は大きな苦難に見舞われたが、この国を取り戻し、再び偉大に、かつてないほど偉大な国にしようとしている。思いやりと勇気、例外主義に満ちた他に類を見ない国になるだろう。われわれの力がすべての戦争を止め、怒りに駆られて暴力的で全く予測不可能だった世界に、新たな団結の精神をもたらすだろう。
米国は再び尊敬され、称賛されるだろう。あらゆる宗教、信仰、善意の人々からも。われわれは繁栄する。誇りを持つようになる。強くなり、かつてないほどの勝利を手にする。征服されず、脅かされることもない。くじけることなく、失敗することもない。この日から、米国は自由で主権を持つ独立国家となる。
勇敢に立ち上がり、誇りを持って生きていく。大胆な夢を持ち、何物も行く手を阻むことはない。われわれが米国民だからだ。未来はわれわれのものであり、黄金時代は始まったばかりだ。米国に神のご加護を。ありがとう。
[時事通信社]
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