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ロシア手ぐすね、ウクライナは危機感=「停戦」前に欧米分断も―米新政権

時事通信 / 2025年1月21日 14時13分

 トランプ米大統領の就任により、2月にロシアの侵攻開始から丸3年を迎えるウクライナの状況が大きく動きそうだ。西側諸国との代理戦争と位置付けるロシアのプーチン政権は、行動や発言が読みにくいトランプ氏の「予測不能」な面を警戒しつつ、停戦合意と引き換えに最大の実利を狙うとみられる。

 戦闘を「24時間以内に終わらせる」と豪語したトランプ氏は、プーチン氏との会談を「6カ月以内の早い時期に望む」とトーンダウンさせた。それでもロシア側は「ただただ歓迎だ」(ペスコフ大統領報道官)と手ぐすね引く。

 米ブルームバーグ通信によると、プーチン氏はトランプ氏との直談判で「ウクライナの軍事力削減と北大西洋条約機構(NATO)との協力縮小」を突き付ける方針。欧米に接近するウクライナの「非武装化」「中立化」を掲げて侵攻に踏み切った経緯から、「取引」(ディール)で所期の目標達成を目指す構えだ。

 表向きは「歓迎」しながらも、危機感を募らせるのはウクライナのゼレンスキー大統領だ。ほぼ無条件に頼みの軍事支援をつぎ込んでくれたバイデン前政権から一変し、兵力不足解消のための動員年齢引き下げや、領土奪還の事実上断念などの「痛み」を迫られる恐れがある。停戦が実現すれば、NATO加盟国部隊を呼び込んでさらなる侵略を阻止したい考えだが、ロシアの要求とは真っ向から対立する。

 一方、トランプ氏は加盟国の国防費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げるべきだと主張しており、渋る欧州諸国との間に分断が生じかねない。年初にウクライナ経由のロシア産天然ガス供給が止まったスロバキアは、ハンガリーに続いてプーチン政権への融和姿勢を鮮明化。停戦を模索する重要局面で、対ロ結束が揺らいでいる。 

[時事通信社]

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