トランプ米政権、2期目始動=主要政策を全面転換―不法移民送還、関税引き上げ
時事通信 / 2025年1月21日 16時55分
【ワシントン時事】ドナルド・トランプ米大統領(78)が20日就任し、第2次政権が始動した。就任初日に内政、経済、外交の各分野で42本の大統領令などに署名。不法移民の強制送還、メキシコやカナダに対する関税引き上げなどを打ち出し、バイデン前大統領が推し進めた主要政策をほぼ全面的に転換する姿勢を鮮明にした。
国際協調よりも自国の利益を優先する「米国第一主義」が再び幕を上げた。トランプ氏は就任演説で「黄金時代が始まる。米国の衰退は終わる」と強調したが、国内外で摩擦や対立が顕在化する危うさもはらむ。
トランプ氏は内政の最優先課題と位置付けていた移民対策で、対メキシコ国境に非常事態を宣言した。米軍を動員して取り締まりを強化するほか、不法移民を強制送還するための一連の大統領令に署名。「国境の壁」の建設再開も表明した。
さらに、2021年1月6日に自らの支持者が選挙結果を覆そうとして起こした連邦議会襲撃事件で、刑事訴追された約1500人全員を「愛国者」と認定し、恩赦・減刑を実施した。「政府の公式方針として性別は男女の二つのみとする」と性転換などを認めない考えを明かし、バイデン前政権が進めた多様性重視の取り組みを翻した。
外交では、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱、世界保健機関(WHO)脱退を命令。パナマ運河の再支配やデンマーク領グリーンランドの領有にも意欲を示し、領土拡大を目指す方針を繰り返した。バイデン前政権が決めたキューバのテロ支援国指定解除も撤回した。
経済では、エネルギーの国家非常事態を宣言。化石燃料の増産を可能にし、物価引き下げを目指す考えを明確にした。トランプ氏は、就任初日はメキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税導入を見送ったが、2月1日に決めることを検討しているとホワイトハウスで記者団に述べた。
このほか、連邦レベルでの死刑制度復活、連邦政府職員の在宅勤務禁止、北米最高峰のデナリ山の「マッキンリー山」への改称なども命じた。いずれも民主党政権下での政策の巻き戻しとなる。
トランプ氏の一連の路線転換には早くも反発が出ている。議会襲撃事件の恩赦・減刑には民主党を中心に批判が広がっており、パナマ運河についてはパナマのムリノ大統領が声明で「現在もこれからもパナマのものだ」と反論した。
[時事通信社]
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