米殿堂入り「本当にうれしい」＝イチローさんゆかりの地

　「本当にうれしい」。米大リーグでメジャー通算３０８９安打を放ったイチローさん（５１）の米野球殿堂入りが発表された２２日午前、ゆかりの地からは喜びの声が上がった。

　出身地の愛知県豊山町。父鈴木宣之さん（８２）が自宅前で取材に応じ「感謝の念しかない。頑張ってきたことに価値が出た」と感激した様子で語った。

　少年だったイチローさんに付きっきりで指導し、大打者になる礎を築いた。宣之さんは「良かったね、とだけ言いたい」とし、惜しくも満票での殿堂入りは逃したが、「どこか欠けていてちょうどいい」と穏やかな表情で話した。

　同町のスポーツ用品店「プラザオガワ」は、イチローさんが小学生時代からバットやグラブを購入していた店だ。店主の河井政三さん（８１）は「道具を大切にしており、素晴らしいスターになると思っていた」と振り返り、「殿堂入りは本当にうれしい。今は野球をやる子が少ないが、イチローさんを目指して頑張って」とエールを送った。

　歓喜の声は、渡米前に所属したプロ野球オリックスの当時の本拠地神戸からも。イチローさんらは１９９５年の阪神大震災の際、ユニホームに「がんばろうＫＯＢＥ」のワッペンを着け試合に臨みリーグ優勝した。神戸市須磨区の行保良博さん（７７）は「神戸ではみんな喜んでいる。活躍にいつも元気をもらってきた」と祝福した。　

［時事通信社］