ルビオ長官が外交始動=会談はしご、慎重スタート―米
時事通信 / 2025年1月22日 15時56分
【ワシントン時事】ルビオ米新国務長官は21日、日本、オーストラリア、インドの外相と相次いで会談し、各国との関係構築に乗り出した。就任早々の精力的な仕事ぶりだが、初日に大量の大統領令に署名し華々しい演出を凝らしたトランプ大統領と比べると、控えめで慎重なスタートに徹する姿を見せた。
21日午後、就任宣誓を終えたルビオ氏が国務省に初登庁すると、ロビーにあふれた職員が拍手と歓声で出迎えた。ルビオ氏は訓示で「世界で最も偉大で優秀な外交団」と職員を称賛。「変化はあるが、破壊的でも懲罰的なものでもない」と述べ、急変する国際情勢への対応が必要だと強調した。
訓示後には日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」外相会合に初出席した。続いてジャイシャンカル印外相、ウォン豪外相、岩屋毅外相と個別に会談。「最も危険な敵」と警戒する中国を念頭に、経済・安全保障分野での協力強化を確認した。
よどみなく訓示した姿と打って変わり、会談では冒頭の写真撮影に応じただけで、記者団の質問には答えず。「大きな意義があった」(岩屋氏)、「トランプ政権がインド太平洋に優先順位を置いているシグナルだ」(ウォン氏)と歓迎する日豪に比べ、米側がクアッド開催を積極的にアピールする様子は見られなかった。
微妙な温度差の背景には、国際協調に後ろ向きで2国間のディール(取引)を重視するトランプ氏の外交姿勢が見え隠れする。上院で円滑に承認され、第2次トランプ政権で就任した最初の閣僚となったルビオ氏だが、今後は同盟・友好国との間で難しいかじ取りを迫られる。
[時事通信社]
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