1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

真相解明果たされず=在留邦人、拭えぬ不安―蘇州母子襲撃・中国

時事通信 / 2025年1月23日 18時33分

 【北京時事】中国江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人母子らが襲撃された事件で23日、被告の男に死刑判決が言い渡された。公判では、日本人を狙った動機について言及がなかったとされる。真相解明が果たされたとは言い難く、在留邦人の不安は拭えていない。

 事件の背景には、中国政府による反日宣伝の影響があるとの見方が出ていた。そのため、日本側は中国政府に対して動機を含む事件の真相解明を求めてきた。だが、中国側は「偶発的」な事案と説明。「類似の事件はどこの国でも起こり得る」(中国外務省)と主張してきた。

 そうした中、昨年9月18日には、広東省深セン市で日本人学校に登校中の男児が男に刃物で切り付けられて死亡する事件が起きた。事件を軽視する中国側の姿勢が、深センの事件につながった可能性は否定できない。

 中国では昨年以降、無差別殺傷事件が相次いでいる。景気低迷に伴う生活苦など鬱積(うっせき)した不満が根底にあるとされる。蘇州の事件も「借金苦」が理由と結論付けられた。日本外務省の説明によると、蘇州の事件を巡る一連の公判で日本への言及は全くなかった。

 中国外務省の毛寧報道局長は23日の記者会見で「外国人の安全を守る措置を従来通り講じる」としたが、中国では反日的な言動は注目を集めやすい。今年は抗日戦争勝利80年に当たり、反日ムードが高まる恐れもある。

 「公共の場で日本語を話すのに不安を感じる」(北京在住の40代男性)。中国在留邦人の間では、不満を抱えた人々が日本人に矛先を向ける懸念は消えていない。 

[時事通信社]

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください