住民の帰還本格化へ=停戦維持、生活再建は困難―ガザ北部
時事通信 / 2025年1月24日 15時8分
【エルサレム時事】19日に発効したパレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦が維持される中、ガザ市のある北部から南方へ避難を余儀なくされていた住民の帰還が25日にも本格化する見通しだ。ロイター通信が23日報じた。数十万人が移動を試みるとみられる。
イスラエル軍は、ハマスによるイスラエル領内への奇襲があった2023年10月以降、ガザで大規模な軍事作戦を展開した。24年10月には、打撃を受けたハマスが再び勢力を拡大させる兆しがあった北部で大規模な攻撃を実施。ガザ市に近いジャバリヤ難民キャンプなどで多くの建物が破壊され、住民が家を追われる事態に拍車が掛かった。
北部では現在、帰還する人々のためのテント設営作業が進められている。南部の沿岸部に子供たちが避難しているというワエル・ジュンディヤさんは、ロイターに「25日から南部の人々がガザ市に押し寄せてくる。ここのキャンプは10万200人を収容できる」と語った。
ハマスは23日に声明を発表。25日に予定される次回のイスラエルとの「人質交換」が終了し、イスラエル軍が北部と南部を結ぶ地中海沿岸の道路から撤退すれば、避難民の帰還が始まると述べた。避難民はこの道を使用して移動する見通しで、道中の検問所で検査を受ける。ハマスは避難民に対し、武器を携行してはいけないと呼び掛けた。
ただ、イスラエル軍の度重なる攻撃にさらされた北部一帯の荒廃ぶりはすさまじく、生活再建は容易でない。
停戦発効後にジャバリヤ難民キャンプに戻ったという男性の妻は、イスラエルによる破壊の大きさに圧倒された。「何も残っていない。家屋が倒壊し、道も歩けない。果たしてこれが自宅なのかどうかすら、分からない」と嘆いた。
[時事通信社]
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