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トランプ氏、公約実現へ急発進=行政権の限界試す―2期目就任1週間

時事通信 / 2025年1月26日 14時1分

 【ワシントン時事】トランプ米大統領が4年ぶりに再就任して27日で1週間。この間50本超の大統領令に署名し、不法移民送還や罪を犯した支持者への恩赦、多様性政策の撤回など、前政権から政策を180度転換する公約の実現へアクセルを全開にした。憲法の規定にも挑戦し、行政権を限界まで拡大しようともくろんでいる。

 「1週間で他の政権が4年間で成し遂げた以上のことを達成した」。25日、トランプ氏は西部ネバダ州の集会で誇らしげに語った。不法移民の拘束と送還が始まり、環境保護政策は撤廃され、性別は「男女のみ」に変更。社会生活に著しい変化が起き始めている。

 これまでに大統領報道官の定例記者会見は一度も開かれず、メディアへの発信はトランプ氏に一本化。「ディープステート(闇の政府)」と見なすキャリア官僚や元政権高官の排除も進め、1期目よりも大統領による統率を強めている。

 一連の大統領令で最も野心的とされるのが、憲法修正14条に規定され、米国で生まれた子に自動的に国籍を与える「出生地主義」の見直しだ。連邦地裁は署名のわずか3日後、「明白な違憲」として差し止めを命じた。

 ただ、政権はむしろ「法廷闘争を望んでいる」(CNNテレビ)という。司法の最後の関門である連邦最高裁はトランプ氏に融和的な保守系判事が多数派を占めるためだ。最高裁に出生地主義の訴訟を持ち込み、新たな憲法解釈を引き出すのが最大の狙いだ。

 こうした中、2021年1月の連邦議会襲撃事件に関わった被告らの無条件恩赦は、身内の共和党からも批判が上がった。「就任後24時間以内に終わらせる」と豪語していたロシアのウクライナ侵攻の終結目標は「6カ月以内」に後退。就任演説で約束した他国への関税も、発動には至っていない。

 トランプ氏に急接近する実業家イーロン・マスク氏と政権幹部の不仲も報じられた。混乱の予兆は既に生まれている。 

[時事通信社]

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