参考人招致、実現困難か=公明迷走、賛成方針を転換―国会
時事通信 / 2025年1月30日 20時15分
自民党派閥裏金事件を巡り、旧安倍派会計責任者(当時)の衆院予算委員会への参考人招致が約半世紀ぶりに多数決で議決された。これを受け、予算委の論戦が与党の想定より1日遅れで始まるが、実際の招致実現は困難視されており、事件の実態解明は見通せない。公明党が議決直前で賛成方針を転換するなど、少数与党の状況下での各党の国会対応は手探りが続いており、2025年度予算案の年度内成立は不透明感が増している。
「本人が拒否している。人権尊重の観点から招致すべきではない」。衆院予算委で与党筆頭理事を務める自民の井上信治元万博担当相は30日、招致反対に回った理由をこう説明した。
予算委で過半数を占める野党の圧力に対し、与党も議決自体は時間の問題とみていた。自民の森山裕幹事長と立民の安住淳予算委員長は水面下で連絡を取り合い、自民が退席する形で全会一致の慣例を守る可能性などを模索。ただ、旧安倍派中堅が「毎日電話している」と打ち明ける会計責任者に対し、自民執行部が招致に応じるよう説得に動いた形跡は見られない。
野党幹部は真相究明に消極的な自民の姿勢を「与党で過半数を持っている残像を引きずっている」と皮肉った。
自民と野党のはざまで公明の対応は迷走した。採決されれば賛成に回ると自民にいったん伝えたものの、自民が反発すると「対応は決めていない」と後退。29日夕、「迷っている」と漏らす公明の西田実仁幹事長に自民幹部が「退席してください」と促し、退席の方針がようやく固まった。
支持母体の創価学会幹部がかつて国会招致を迫られた経緯を踏まえ、党内から「民間人の招致は重い」(党幹部)と慎重論が出たことも影響したとみられる。「自民はしっかり自浄能力を発揮してもらいたい」。30日、対応の変遷を記者団から追及された西田氏は釈明に追われた。
予算審議の前提と位置付けていた招致議決をひとまず勝ち取った野党だが、展望が開けたわけではない。議決に強制力はなく、現時点では実現の可能性は低いとみられている。会計責任者からの回答期限は2月3日。「自民が知恵を出すだろう。考えるのはあちらだ」。立民国対筋はこう話す。
応じない場合、強制力のある証人喚問の要求に駒を進めるかがポイントとなる。ただ今回同様、全会一致での議決は望めず、年度末が迫る中で予算案を「人質」にした条件闘争に持ち込めば、世論の反発を招く可能性も否定できない。
「議決はやむを得ない対応だった。ぜひ国会に来て、説明責任を果たしてほしい」。立民の野田佳彦代表は30日の党会合でこう訴えた。
[時事通信社]
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