WHO、新型コロナ「制御の機会逃すべきでない」 五輪延期を支持
ロイター / 2020年3月26日 7時11分
世界保健機関(WHO)は25日、新型コロナウイルスの大流行で今夏開幕予定だった東京五輪が1年程度延期されたことについて、完全に支持すると表明した。写真はWHOのテドロス事務局長。16日撮影(2020年 ロイター/Christopher Black/WHO)
[チューリヒ/ジュネーブ 25日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は25日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため市民に外出自粛などを指示している国は感染者の発見を重点的に行うとともに、ウイルスの「封じ込めと制御」に向けて全力を尽くす必要があると訴えた。
また、新型ウイルスの大流行で今夏開幕予定だった東京五輪が1年程度延期されたことについて、完全に支持すると表明した。
テドロス局長は記者会見で、一部の国は感染拡大阻止にリソースを投じるに当たって時間を無駄にしたと指摘。「われわれは(封じ込めの)チャンスは狭まりつつあると世界中に訴えてきた。実際、行動すべき時は1カ月以上前、2カ月前だった」と述べた。
そのうえで「まだ機会は残されている。最初のチャンスは逃したが、いまは第2のチャンスだ」とし、「今回は無駄にせず、ウイルスを封じ込めて制御するために全力を尽くすべきだ」と訴えた。
WHO当局者は、世界の医療従事者がマスクや手袋、ガウン、フェースシールドなど防護具の「深刻な不足」に直面しているとあらためて強調。テドロス局長がこうした防護具の増産について20カ国・地域(G20)首脳に支援を求める見通しだとした。G20首脳は26日にテレビ会議を予定している。
テドロス局長は、新型ウイルスを巡るトランプ米大統領の対応について問われると、米国での感染拡大に対処するため政治的なコミットメントと指導力を発揮していると指摘。検査拡充などWHOによる助言も同大統領は真剣に受け止めているとの見方を示した。
全土に外出禁止令を出したインドについては「早期に対応しているのは非常に重要で、好ましいことだ。事態が深刻になる前にウイルスを封じ込め、制御する一助になる」と述べた。
テドロス局長は東京五輪の延期について、選手や観客の健康を考えると「厳しくも賢明な判断だった」と語った。また緊急事態対応を担当するマイク・ライアン氏は延期について「国際オリンピック委員会(IOC)や日本政府が決めたことで、WHOは助言をしただけ。決定は完全に支持する」と強調した。
*内容を追加します。
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