米国務長官がスーダン訪問、首相とテロ支援国家指定解除を協議
ロイター / 2020年8月26日 0時46分
スーダンのハムドク首相は25日、ポンペオ米国務長官(写真)と「率直で透明性ある」協議をしたと述べた。米国によるテロ支援国家指定の解除も議題に挙がったという。ニューヨークで20日撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)
[ハルツーム 25日 ロイター] - スーダンのハムドク首相は25日、ポンペオ米国務長官と「率直で透明性ある」協議をしたと述べた。米国によるテロ支援国家指定の解除も議題に挙がったという。
ポンペオ氏はイスラエルから直行便でスーダンに到着。イスラエルとスーダン間を公式な直行便が飛ぶのは初めて。米国は両国の関係を強化しようとしている。
イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が今月に国交正常化で合意したことを受け、ポンペオ氏は中東を歴訪。イスラエルと米国は他のアラブ諸国もイスラエルと国交正常化で合意するよう働き掛けている。
米国はバシル前政権時、スーダンが過激派組織を支援している疑惑やダルフール紛争の戦争犯罪を理由に制裁を科した。バシル政権は2019年4月、軍のクーデターで崩壊した。米国はスーダンに対する貿易制裁を17年に解除したものの、依然テロ支援国家に指定されており、必要とする国際的な金融機関からの資金調達ができていない。
ハムドク首相は、民主化勢力が主導する暫定政権の支持について話したとツイッターに投稿。スーダンの革命に向けた「前向きで具体的な動き」を期待していると表明した。
米国務省はポンペオ氏のハルツーム訪問について、民主政治への米国の支持と「スーダン・イスラエルの関係強化」を話し合うと説明した。
米当局者は、イスラエルとスーダンの国交正常化や米国の制裁解除などの発表はあるかとの質問に「さらに歴史的な偉業を成し遂げる可能性はある」と答えた。
スーダンにとってイスラエルとの関係は慎重な議題だ。イスラム国であるスーダンはバシル前政権の下、イスラエルにとって強硬な敵国だった。
ブルハン統治評議会議長は2月、イスラエルのネタニヤフ首相とウガンダで協議したが、早期の国交正常化に慎重な姿勢を示した。
スーダンは8月19日に外務省の報道官を解雇したと発表。イスラエルと国交正常化を結んだ3番目のアラブ国となったUAEの決断が「勇敢で思い切ったものだ」と発言したことが理由だった。
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