独SAP、2020年の見通し引き下げ 中期目標撤回 コロナで打撃
ロイター / 2020年10月26日 8時24分
[ベルリン 25日 ロイター] - ドイツのソフトウェア大手SAP
同社は、クラウドコンピューティング事業の強化を加速させる戦略に転換していると説明した。
この日発表した第3・四半期決算は調整後の総売上高が4%減少した。
営業利益は国際会計基準ベースで12%減少した。ただ為替変動などの影響を除く調整後ベースでは4%増加した。
SAPは、2023年までの5年間に利益率が年1%ポイント拡大するとしていた見通しを撤回。代わりに2025年までの中期目標を打ち出した。
同社は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による需要への影響は「少なくとも2021年上期まで続く見込みで、(調整後の)クラウド事業の売上高、総売上高、営業利益といった主要な測定基準の達成は1─2年後ずれする」と指摘。
さらに、利益率の高いソフトウエアライセンス事業から、利益率の低いクラウド事業へのシフト加速により「2023年の営業利益率は従来の中期目標と比べ4─5%ポイント程度のマイナスの影響を受ける」とした。
SAPの広報担当者は発表文書について詳細に言及しなかったが、文字通り解釈すると、利益率は当初目標だった2023年まで年1%ポイントの拡大ではなく、同年まで横ばいが見込まれているようだ。
SAPは2025年に調整後の総売上高が360億ユーロ(427億ドル)になると予想。このうち220億ユーロがクラウド事業の売上高になる見込みという。
調整後の営業利益は2025年までに115億ユーロに達し、このうちクラウト事業が85%を占める見込みだとした。
同社は2020年のガイダンスも引き下げた。調整後の総売上高は為替変動の影響を除いたベースで、272億─278億ユーロ(322億4000万─329億5000万ドル)になる見通し。従来予想は278億─285億ユーロだった。
調整後の営業利益の見通しは為替変動の影響を除いたベースで、81億─85億ユーロ。従来予想は81億─87億ユーロだった。
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