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情報BOX:政府の脱炭素「グリーン成長戦略」のポイント

ロイター / 2020年12月25日 14時10分

 12月25日、2050年のカーボンニュートラルに向けて政府が策定した「グリーン成長戦略」のポイントは以下の通り。成長が期待される14分野で課題と対応、工程表を策定した。写真はアムステルダム近くの洋上風力発電設備。2017年9月撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)

[東京 25日 ロイター] - 2050年のカーボンニュートラルに向けて政府が策定した「グリーン成長戦略」のポイントは以下の通り。成長が期待される14分野で課題と対応、工程表を策定した。

─すべての分野で技術開発と社会実装を進め、量産投資でコストを低減。経済効果は2030年に年額90兆円、2050年で同190兆円程度。

─2050年に発電量の約50―60%を再生可能エネルギー、10%程度を水素・アンモニア発電、30―40%程度を原子力・二酸化炭素(CO2)回収前提の火力発電で賄う。この数値は議論のための参考値。

─今後、エネルギー基本計画の改訂に向けて、複数のシナリオ分析を行う。

<洋上風力>

・導入目標:30年に10ギガワット(GW)、40年に30―45GW。

・国内調達率目標:40年に60%。

・コスト低減目標:30―35年に1キロワット時8―9円。

・アジア展開も含めた次世代の技術開発、「技術開発ロードマップ」を年度内に策定。

・浮体式の安全評価手法の国際標準化。

<燃料アンモニア>

・30年に向けて20%混焼の実証(3年間)を経て、電力会社を通じて窒素酸化物(NOx)抑制バーナーとアンモニア燃焼をセットで実用化。

・東南アジアの1割の石炭火力に混焼技術を導入できれば5000億円規模の投資。

・日本がコントロールできる調達サプライチェーンを構築(50年で1億トン規模)。

<水素>

・導入量:30年に最大300万トン、50年に2000万トン程度を目指す。

・コスト低減:20円/Nm3以下に引き下げ。50年に化石燃料に対して十分な競争力を有する水準を目指す。

<原子力>

・国内での着実な再稼働とともに、次世代革新炉開発に参画。

<自動車・蓄電池>

・遅くとも30年代半ばまでに乗用車新車販売で電動車(ハイブリッド車含む)100%を実現へ。商用車についても21年夏までに検討を進める。

・ガソリン車と電気自動車の経済性が同等になるよう、30年までのできるだけ早期に車載用電池パックをキロワット時1万円以下に引き下げる。

<半導体・情報通信>

・次世代パワー半導体等の研究開発、実証、設備投資を支援。

・30年までにすべての新設新設データセンターを30%省エネ化、データセンター使用電力の一部再エネ化義務付けを検討。

40年に半導体・情報通信産業のカーボンニュートラルを目指す。

<航空機>

・複合材、電動化、水素や代替燃料などの複数の要素における技術的優位性の確立を目指す。

<カーボンリサイクル>

・高効率な二酸化炭素(CO2)分離回収技術を開発。50年に分離回収市場で年間10兆円市場のシェア3割を目指す

*14分野はこの他、<ライフスタイル><資源循環関連><住宅・建築物/次世代型太陽光><船舶産業><物流・人流・土木インフラ><食料・農林水産>。

(清水律子)

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