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コラム:広告回復のアルファベット、問題はクラウドの将来性

ロイター / 2023年10月25日 10時35分

米アルファベットのデジタル広告事業はクラウド部門が曇り空だ。写真は、グーグルクラウドサービスのロゴ。2022年2月8日に撮影。(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

Anita Ramaswamy

[ニューヨーク 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - グーグルの親会社、米アルファベットのデジタル広告事業は晴れわたっているが、クラウド部門は曇り空だ。第3・四半期の同社全体の売上高は前年同期比11%増加し、過去1年余りで初めて2桁台の伸びとなった。売上高の4分の3以上をオンライン広告が占める同社にとって安心できる数字だ。しかしアルファベットの将来の企業価値は、クラウド事業に大きく依存している。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、他の事業に比べてクラウド事業の掌握力が弱いようだ。

広告スペースを売るというグーグルの基本事業は回復し始めている。広告の売上高は前年同期比9.5%増と、伸び率が前期の約3倍に加速した。これは心強いことだが、新型コロナウイルスのパンデミック以前に比べれば増収率が落ちている。その上、グーグルはオンライン広告における支配力が高まり過ぎて、米国、欧州連合(EU)、日本の独占禁止当局から監視されている状況だ。短期的な好業績は良いことだが、投資家は既に長期的な事業シフトへと目を向けている。

そこでアルファベットの命運を握る重要な要素の1つがクラウド事業だ。人工知能(AI)企業は今、コンピューティング能力を十分に確保しようと努めているため、クラウド事業は急成長が予想される。問題は、アルファベットがこの分野でアマゾン・ドット・コムとマイクロソフトの後塵を拝していることだ。第2・四半期にはグーグルのクラウド事業の方がマイクロソフトのそれより成長が速かったが、第3・四半期はグーグルのクラウド売上高が22.5%増だったのに対し、マイクロソフトは29%増と、順番が入れ替わった。問われるのは、クラウド事業が今後も成長し続けるか否かではなく、グーグルがどの程度のシェアを獲得できるかだ。その面では、毎四半期が勝負になってくる。

●背景となるニュース

*アルファベットが24日発表した第3・四半期決算は、売上高が前年同期比11%増えて767億ドルとなり、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の760億ドルを上回った。

*グーグル・クラウド部門の売上高は84億ドルで、予想平均の86億ドルに届かなかった。同部門の前年同期比の増収率は22.5%と、第2・四半期の28%から減速した。

*マイクロソフトが同日発表した第1・四半期(7─9月)決算では、クラウド事業の増収率が29%と、前期の26%から加速した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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