ガザ、数十億ドルの国際的な支援が必要 ＵＮＣＴＡＤ報告書

国連貿易開発会議（ＵＮＣＴＡＤ）は２５日発表したパレスチナ自治区ガザの経済開発などに関する報告書で、ガザが数十億ドルの国際的な支援を必要としていると指摘した。１８日撮影（２０２３年　ロイター/Mohammed Al-Masri）

Gabrielle Tétrault-Farber

[ジュネーブ ２５日 ロイター] - 国連貿易開発会議（ＵＮＣＴＡＤ）は２５日発表したパレスチナ自治区ガザの経済開発などに関する報告書で、ガザが数十億ドルの国際的な支援を必要としていると指摘した。長年にわたる制限で経済が抑制され、発展が抑えられてきたためと指摘している。

報告書ではガザを実効支配するイスラム組織ハマスの武装勢力が今月７日にイスラエル南部を襲撃し、イスラエルが報復として攻撃する前からガザの経済状況が悲惨だったと強調した。

報告書は「援助国や国際社会はガザが長期にわたる制限や閉鎖、頻繁な軍事作戦で経験した甚大な被害を修復するために多額の支援を提供する必要がある」と指摘。「援助国による支援はガザの人々を支援するために重要ではあるが、制限と閉鎖を終わらせ、イスラエルと全ての当事者に国際法下で責任を負うように求めることの代わりと見なすべきではない」とも記した。

ＵＮＣＴＡＤグローバリゼーション・開発戦略部のリチャード・コズルライト部長はスイス・ジュネーブで記者団に対し、現在の紛争が終わるまではガザが実際に必要とする支援額を評価するのは難しいとしつつ「数十億ドルになるだろう」との見方を示した。

ガザに対する支援額は急減しており、２００８年に国内総生産（ＧＤＰ）の２７％に相当する２０億ドルだったのが、２２年は３％未満の５億５０００万ドルまで落ち込んだ。

報告書によると、ガザの住民の半分近くが失業しており、過半数が貧困に直面している。