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脱炭素新興のサステック、企業価値1200億円超え ユニコーン入り目前

ロイター / 2024年10月25日 11時6分

Makiko Yamazaki

[東京 25日 ロイター] - 脱炭素関連スタートアップのサステック(東京都港区)が、日本ガイシなど複数の投資家から資金調達を進めていることが分かった。企業評価額は現在の3倍超の約1240億円に達する見込み。関係者が25日、明らかにした。再生可能エネルギー需要の拡大を追い風に、国内では依然として数少ない、企業評価額10億ドル(約1500億円)以上の大型未上場企業「ユニコーン」入りが間近に迫る。

サステックは2021年設立で、太陽光等の再エネ発電設備の設置・運営のほか、人工知能(AI)を利用した再エネ発電量予測や電源管理などのシステム開発なども手掛け、企業の脱炭素化に向けた取り組みを一気通貫で支援する。

関係者によると、今回の資金調達ラウンドでは、蓄電所の運営で提携関係にある日本ガイシを筆頭に、金融機関などから総額約72億円の調達を進めている。調達した資金は、再エネ発電所の建設や、停電を防ぐための電力網を管理するAIの開発などに使用する計画だ。

太陽光や風力などの再エネは天候や時間によって発電量が変動するため、需給バランスが不安定になりがちだが、サステックの予測AI技術は途上国などでも活用できるとみて、海外展開も視野に入れる。

サステックには三井住友信託銀行やソフトバンクグループで副社長を務めた佐護勝紀氏などを含む30以上の株主がいる。東急不動産と1500億円、両備ホールディングスと200億円の再エネ投資ファンドを共同で運営する。2028年2月期までにナスダック上場を目指している。

脱炭素化技術への投資意欲は世界的に強い。国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、今年のエネルギー投資総額は初めて3兆ドルを突破、そのうち約2兆ドルが再エネや電気自動車などのクリーンエネルギー技術・インフラに充てられる見通し。

米調査会社CBインサイツによると、ユニコーンは世界に1200社以上存在するが、日本には9月末時点で8社のみ。海外と比べ、ベンチャーキャピタル等の投資家層に厚みがなく、大型の資金調達が難しいため、早期に株式市場への上場を選ぶスタートアップが多い。

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