欧州、ロシア制裁強化を検討 トランプ氏返り咲きに備え=情報筋
ロイター / 2024年10月26日 3時19分
欧州ではトランプ前米大統領が返り咲いた場合に対ロシア制裁への西側諸国の取り組みが損なわれる可能性があるとみて、制裁強化に向けた準備を進めている。2022年撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州ではトランプ前米大統領が返り咲いた場合に対ロシア制裁への西側諸国の取り組みが損なわれる可能性があるとみて、制裁強化に向けた準備を進めている。複数の情報筋がロイターに明らかにした。
欧州連合(EU)当局者や外交官らは、欧州の制裁が長期的に維持されるよう、米政権の方針が変更された場合でも制裁を強化するいくつかの取り組みを検討している。
検討されている措置として、ロシア向けとみられる貨物を特定して輸送を阻止する「キャッチオール」条項や、より広範囲な石油輸送の制限などが含まれるという。包括的な条項が適用されれば、ロシア経由で中央アジア諸国に輸送されるなど、輸送先の妥当性に疑いがある場合、税関当局で貨物の保留が可能となる。
西側諸国によるロシアへの最大の制裁措置となっている資産凍結について、制裁を半年ごとに更新するという要件を変更する可能性についても議論されている。
情報筋によると、タンカーが登録されている国へ圧力をかけ始めている。また、EUは次の制裁措置で対ロ禁輸条項の適用拡大も望んでいる。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のトム・キーティング氏は、「トランプ氏が返り咲いて米国の対ロ制裁が覆されれば、欧州はより強硬な姿勢を取る必要があり、もはや米国の後ろに隠れていることはできなくなる」との見解を示した。
トランプ氏は11月5日の米大統領選で勝利すれば、ウクライナへの軍事支援を停止または大幅に減速すると強く示唆している。
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