米政府、新型ウイルス対策で25億ドルの予算要請

　２月２４日、米ホワイトハウスは、新型コロナウイルス対策として２５億ドルの予算案を議会に要請したことを明らかにした。写真は２０日、コロラド州コロラドスプリングスで演説するトランプ大統領（２０２０年　ロイター/Kevin Lamarque）

［ワシントン　２４日　ロイター］ - 米ホワイトハウスは２４日、新型コロナウイルス対策として２５億ドルの予算案を議会に要請したことを明らかにした。

このうち１０億ドル以上はワクチン開発に充てられるという。

新型ウイルスが世界経済に大きな影響を及ぼすとの懸念から金融市場が下落する中、トランプ政権は、ウイルスに対処する用意があることを示そうとやっきになっている。

新型ウイルス感染は、中国本土以外で２９の国・地域に広がっており、韓国やイラン、イタリアで感染者が大幅に増加している。ただ、これまでのところ米国の感染者数は限られている。

米行政管理予算局（ＯＭＢ）のレイチェル・センメル報道官は声明で、ワクチン開発の加速、緊急事態のための準備や対応策支援、必要な医療機器や物資の調達のために、２５億ドルの予算を議会に提出したと説明した。

２５億ドルのうち、１５億ドルは新たに確保する予算で、残りは、エボラウイルス対策などで議会が既に割り当てていた予算の未使用分。それを新型ウイルス対策に転用するには議会の承認が必要となる。

一方、下院歳出委員会のニタ・ローウィー委員長（民主党）は、トランプ政権の予算要請は、米国民を新型ウイルスから守るのには不十分だと批判した。

ペロシ下院議長も２４日夜に声明を発表し、予算額は「事態の深刻さを踏まえると小さすぎ、まったく不適当」として厳しく批判した。

議長は「下院は、公衆衛生上の危機の規模と深刻さに完全に対応した、強力かつ戦略的な予算パッケージを早急にまとめる」と述べた。

米疾病対策センター（ＣＤＣ）によると、米国の新型ウイルスの感染者は合わせて５３人。このうち１４人は米国内で感染が確認された人で、３９人は中国・武漢市から帰国した人とクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の退避者。

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