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アングル:新型肺炎懸念で新調整局面に、底入れは日柄が目安

ロイター / 2020年2月25日 12時28分

2月25日、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がったことで、株式市場は新たな調整局面を迎えた。写真は24日、渋谷から新国立競技場方面を撮影(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha)

水野文也

[東京 25日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染が世界的に広がったことで、株式市場は新たな調整局面を迎えた。新型ウイルスの感染拡大をめぐる情勢が不透明感を増してきたため、株価が底入れする契機は、どれだけ下げたという値幅ではなく、新型ウイルスの収束がいつになるかという日柄がポイントになるとの見方が出ている。

25日の東京株式市場は、日経平均が一時1000円を超す下げとなる全面安商状。1000円安は、米中対立の深刻化が懸念された2018年12月25日以来。新型コロナウイルスの感染者が中国本土外で急増し、世界的な大流行(パンデミック)への不安が高まったことから、世界経済への影響を巡る懸念が拡大、そこから生じたリスクオフの流れが日本株でも顕著となっている。

前日の米国株式市場では、ダウ工業株30種が史上3回目となる1000ドルを超える下げとなったが、これについて、みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は「米国でも経済指標で新型ウイルスの影響を受けるものが目立ち始め、楽観的な見方が支配していた様子さえ感じられた米国のマーケット関係者が、ここにきて『我に返った』という感じになった」と指摘する。

これまで強気ムードが支配していた株式市場では、悪材料に目をつむるようなところもあったが、新型ウイルスの展開が見通せなくなったことで「米中対立で底入れの時期が明確に探れなかった昨年の相場環境と似た状況になってきた」(国内証券)とされる。そうなると「新型ウイルスに限らず、悪材料に反応しやすい地合いになる」(三浦氏)という。

中国・湖北省では、潜伏期間が27日間と、これまで14日程度とされた期間を大幅に上回る症例が報告されるなど、材料として新型ウイルスの先行きへの不透明感は増すばかり。そうした中でサウジアラビアで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が、マーケットに失望感を与えたと大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏は指摘する。

G20では「新型ウイルスの感染拡大を含め、世界のリスク監視を強化する。こうしたリスクに対処するためのさらなる行動をとる用意がある」と表明されたが、木野内氏には「『行動を用意』というのは、政策協調まで促していないと解釈できる。景気低迷下で行われた2016年のG20で『行動が必要』との文言だったことに比べていかにも弱い」と話す。

メインとなる材料の先行きが見通せなくなると、下げた後にいったん底入れしても、新たな材料が加わると再び下げに転じることになる。そのため、市場では「今回の調整は値幅で下値の目安を探るのは難しい。新型ウイルスの収束がいつ読めるようになるのか、日柄で判断する必要がある」(木野内氏)との見方が出ている。

一方、日を追うごとに出張やイベントなどの自粛ムードが強まっており、この影響は今後、日本の各種経済指標の数字に確実に出てくる。「仮に米国株が戻ったとしても、日本株は戻りが鈍い展開になるかもしれない」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニア投資ストラテジストの荒井誠治氏は話している。

(編集:石田仁志)

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