米企業団体、コロナ対応の「バイ・アメリカ」政策に反対
ロイター / 2020年3月27日 2時38分
企業団体が26日、米国製品の優先的購入を奨励する「バイ・アメリカ」政策を医療機器や製薬部門へ拡大する米政権の計画は、至急必要とする薬の供給不足が悪化したり新型コロナウイルスのワクチン開発を遅らせたりする恐れがあると警告した。ニューヨークの医療用製品販売店で撮影(2020年 ロイター/STEPHEN YANG)
[ワシントン 26日 ロイター] - 80以上の企業団体が26日、米国製品の優先的購入を奨励する「バイ・アメリカ」政策を医療機器や製薬部門へ拡大する米政権の計画は、至急必要とする薬の供給不足が悪化したり新型コロナウイルスのワクチン開発を遅らせたりする恐れがあると警告した。
米商工会議所を含む業界団体はムニューシン米財務長官とカドロー米国家経済会議(NEC)委員長ら政府高官に対して、計画を撤回するように求めた。何年にもわたり米国の貿易相手国との関係に亀裂を残すこととなると警告した。
団体は書簡で「米政府機関が海外から医療機器や医薬品原料を調達することを妨げるのは、米国を悩ませている供給不足を悪化させるだけだ」とした。書簡の宛先にはロス米商務長官とライトハイザー米通商代表も含まれている。
大統領令を策定しているナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)はFOXニュースとのインタビューで「トランプ大統領は近いうちに大統領令を完成させる」と述べた。日時は特定しなかった。
米政権の動きを中国などの貿易相手国は不安視している。新型ウイルスで世界が団結しなければならないときに中国との緊張感は再び高まっている。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席を含む20カ国・地域(G20)首脳は26日、電話会議で新型ウイルスのパンデミック(世界的大流行)による打撃に対応する計画を協議する。
ナバロ氏は大統領令について、3Dプリンターやその他の先端技術において国内で生産する企業はバイ・アメリカの規定と規制緩和、報奨制度に基づき恩恵を受けることができると説明した。
団体は書簡で、米産業がパンデミックに対応するために「あらゆる手段を取る」と述べた上で、米企業は必要な製品を作るために国外の供給網へのアクセスが必要であり、大統領令によって医薬品や医療品の不足が悪化することになると警告。景気回復の見込みが弱まると指摘した。
書簡は「米国は世界から孤立してはならない」とした。「危機の最中に貿易相手国に背を向けることで、パンデミックが終わった後、長期にわたり関係を悪くなる可能性がある」と警告した。また米国が国内生産を指示した場合、貿易相手国が報復し、米国からの輸入を制限する可能性があると指摘した。
新型ウイルスの米国の感染者は5万3000人を超えた。死者数は730人。
この記事に関連するニュース
-
米USTRタイ代表、対中追加関税の見直し完了は「非常に近い」、公聴会で証言(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月18日 16時0分
-
米、新たな対中関税も 鉄鋼過剰生産に対抗
共同通信 / 2024年4月17日 8時23分
-
「パンデミック条約」に国境なき医師団が求める5つのポイント──将来のパンデミックの予防、備え、対応のために
国境なき医師団 / 2024年4月16日 12時0分
-
なぜ最近「激安の中国製品」が大量に出回っているのか…「世界の工場」がお荷物と化した習近平政権の自滅
プレジデントオンライン / 2024年4月15日 9時15分
-
アングル:堅調な米雇用、製造業は例外 映し出す構造変化の現実
ロイター / 2024年4月7日 8時1分
ランキング
-
1【速報】1ドル=155円を突破 円安止まらず 日米金利差「縮まらない」見方から円売り・ドル買い強まる
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月24日 21時19分
-
2サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
-
3目印は「エコだ値」シール、セブン-イレブン“見切り品”値引き拡大へ 食品ロス削減へ…客「貢献できて嬉しい」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月23日 20時0分
-
4山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
5NY市場サマリー(24日)ドル一時155円台前半で介入警戒感、利回り上昇 株まちまち
ロイター / 2024年4月25日 7時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください