円債は残高増加、今の市場環境なら外債は大きく増減させず=第一生命運用計画
ロイター / 2021年10月26日 18時49分
10月26日、第一生命保険は2021年度下期の一般勘定資産の運用計画で、円建て債券は責任準備金対応債券の積み増しにより残高を増やす一方、国内株式はリスクコントロールのため売却する。都内の第一生命本社前で2011年4月撮影(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 26日 ロイター] - 第一生命保険は2021年度下期の一般勘定資産の運用計画で、円建て債券は責任準備金対応債券の積み増しにより残高を増やす一方、国内株式はリスクコントロールのため売却する。外貨建て債券については、金利や為替の水準次第だが、足元の水準程度での推移であれば残高の大きな増減は見込んでいない。26日に開催した運用方針説明会で明らかにした。
第一生命は、経済価値ベースの資本充足率の安定性を高めるため、上期に続き市場関連リスクの削減に取り組む方針。
このうち円債については、金利リスクを削減するため責任準備金対応債券の積み増しやプロジェクトファイナンス、アセットファイナンスなどへの投資により、残高を増加させる。
外債の運用方針では、背景となる世界経済について甲斐章文運用企画部長は、コロナ禍からの堅調な回復が見込まれるものの、供給制約などによるインフレ加速が成長への懸念になるとみている。
これを踏まえ、基本シナリオとして、米国では来年11月の中間選挙までは財政拡大路線が続きリスクオン相場がサポートされるが、早ければ22年後半にも利上げが開始されるとの想定で米長期金利の水準を年末1.7%、年度末1.8%と予想。また、主なリスクは「利上げ時期の前倒し」で、そのサプライズが市場のボラティリティー上昇を招く可能性があると指摘した。
為替ヘッジ付き外債の残高増減は金利水準次第としつつも「今の環境が続くのであれば、それほど削減は考えていない。ただ、利上げ前倒しや利上げの到達点上昇の観測が出る場合は、予防的にヘッジ外債の削減を考えてもいい」(甲斐氏)としている。
オープン外債の運用も「為替次第だが、今ぐらいの水準であればフェイバー(好都合)で、大きな増減は見込んでいない。日米金利差に起因した緩やかな円安が基本線で、リスクを予防的に落とすことは考えていない」という。
国内株式の残高は、経済価値ベースの資本充足率の安定化に向けた株式リスクの削減を目的に売却を行うため、減少する見込み。外国株式の増減は株価水準次第という。
オルタナティブ資産も、上期に続き残高を積み増す計画。ヘッジファンドではポートフォリオ全体のリスク分散につながる戦略に、プライベートエクイティは収益力向上を目指してバイアウトファンドやインフラファンドなどへの投資を強化する。
不動産も案件次第ではあるが、用途分散を目的とした新規投資や入れ替えにより上期に続き残高は増加する見込み。
第一生命の一般勘定の資産残高は、6月末時点で38兆2693億円。うち外貨建て資産は10兆6250億円(27.8%)。
2021年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス
日本国債10年物利回り ▼0.25―0.25%(年度末0.10%)
米国債10年物利回り 1.00―2.00%(年度末1.80%)
日経平均株価 2万6000―3万4000円(年度末3万1000円)
NYダウ 3万─3万8000ドル(年度末3万6000ドル)
ドル/円 108―120円 (年度末115円)
ユーロ/円 120―140円 (年度末130円)
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