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インタビュー:大きな金融政策修正せず越年と想定=桜井・元日銀審議委員

ロイター / 2023年9月26日 16時13分

 9月26日 桜井真・元日銀審議委員は26日、今年7月に政策修正に傾いた日銀金融政策について「早めに動いたことで日銀はかなり政策の自由度を得た」との見方を示した。写真は2017年6月、都内で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)

Leika Kihara Takaya Yamaguchi

[東京 26日 ロイター] - 桜井真・元日銀審議委員は26日、今年7月に政策修正に傾いた日銀金融政策について「早めに動いたことで日銀はかなり政策の自由度を得た」との見方を示した。年内いっぱいは大きな政策修正は見送られるとも話した。同日都内でロイターの取材に応じた。

桜井氏はインタビューで「7月に早めに動いたことにより、日銀は、かなり政策の自由度を得た。このまま大きな政策修正をせず年内を越せるだろう」と語った。「場合によっては4月ごろの春闘の結果をみてから動いてもおかしくない。海外情勢次第ではしばらく現状維持が続くかもしれない」との見通しも示した。

経済環境を巡り「回復局面にはある」との認識を示す一方、「消費は実質でそれほど伸びておらず、設備投資も計画対比それほど強くない」とし、「外部環境の不透明感が強いため、企業が設備投資に慎重になっている可能性がある」と述べた。

需要不足が解消しても「しっかりプラスにならないと賃金・物価の好循環は定着しない」と指摘し、「ここが実現するかどうか日銀は見極めたいだろう」と語った。中小企業も含め、24年度春闘が出そろう頃には「中国経済の情勢も、よりはっきりしてくる」とした。

当面は大きな政策変更は見送られるとの見方を示す一方、「複雑化した政策の簡素化や、過度な緩和の修正のための小さな措置の変更の可能性はある」との選択肢も示した。

市場でくすぶるマイナス金利撤廃観測を巡り、桜井氏は「実態としてマイナス金利の(経済刺激)効果は小さいため、解除はやろうと思えばやれる。仮に解除しても(実体経済に)ほとんどインパクトはない」との認識を示した。

一方、解除そのものには「象徴的な意味を持ち、引き締め的な印象を与える」と言及。「日銀として何としても避けたいのは、マイナス金利解除などの措置をとることで金融を引き締めているという印象を与えること。そうならないよう、動く時期を見計らっているのだろう」と述べた。

桜井氏は、マイナス金利政策の導入に反対した白井さゆり審議委員の後任として2016年4月に審議委員に就任。任期満了となる21年3月まで審議委員を務めた。

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