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投資家が戻りつつある中国株、政府による本腰の景気対策を好感

ロイター / 2023年10月26日 13時9分

中国政府が景気対策に本腰を入れ始めた様子を見て、低迷していた株式市場に投資家が戻ってきている。ただ経済の足場はなお弱く、市場心理も動揺しやすいとの見方は変わっていない。北京で2018年10月撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)

Samuel Shen Ankur Banerjee

[上海/シンガポール 25日 ロイター] - 中国政府が景気対策に本腰を入れ始めた様子を見て、低迷していた株式市場に投資家が戻ってきている。ただ経済の足場はなお弱く、市場心理も動揺しやすいとの見方は変わっていない。

主力銘柄で構成するCSI300指数は一時4年半ぶりの安値に沈んでいたが、今週、小幅ながら反発した。人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁が21日に株式や債券、外国為替の市場でリスクが波及するのを防ぎ、安定を確保すると宣言。さらに23日には国営投資会社、中央匯金投資が上場投資信託(ETF)の買い入れを開始したことが好感された。

また全国人民代表大会(全人代)常務委員会が24日、総額1兆元の国債の追加発行を承認したことも買いの材料になった。

特に中央匯金投資の投入からは、これまで印紙税廃止や空売り規制緩和など「小ぶり」の対策に終始してきた政府が市場てこ入れにいよいよ真剣になったことがうかがえる。中央匯金投資がETF購入方針を発表した後、実際に幾つかのETFに大量の資金が流入した。

資産運用会社チャイナアセットマネジメントによると、中央匯金投資による23日のETF購入規模は100億元と推計され、買いが続けば「流動性不足を効果的に和らげて市場安定化に貢献する」とみている。

中央匯金投資は2015年の株価急落局面と13年の短期金融市場の資金需給ひっ迫時にもETFを買い入れており、シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)のアナリストチームの試算では上海総合指数をいずれも3カ月で20%以上も押し上げた。

UOBケイヒンのウエルスマネジメント部門のチー・ワン最高投資責任者は「中国政府は株式市場を支えている」と指摘した。

上海秋陽予梁投資管理のファンドマネジャー、フアン・ヤン氏は、景気刺激策は今後の経済動向に希望を失って極端な悲観ムードに陥っていた市場にある程度の信頼感を注入したと説明し、同社が今週に入って短期的な値上がりを見込んだポジションをある程度構築したと明かす。

それでも同氏は守りの姿勢を維持し、「株式市場が底値を探り出すには時間が必要だ」と付け加えた。

フアン氏は、株価がさらに下落して追加証拠金差し入れが不可欠になった場合、レバレッジ投資家の売りが広がる展開も警戒している。

外国人投資家の中には、中国政府の動きに関係なく、単に値ごろ感から株式市場にじわじわと復帰する向きも見られる。

英国のM&Gインベストメンツは中国投資を拡大し、自動車や再生可能エネルギー、海運などのセクターを選好している、と株式・マルチ資産・サステナビリティー担当グローバル最高投資責任者のファビアナ・フェデリ氏は明らかにした。

同氏は「この市場はしばらく敬遠されてきたという事実によって、投資機会が生まれている」と述べた。

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