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超長期中心に円債積み増し、1─3月の日銀政策修正を想定=第一生命・23年度下期運用計画

ロイター / 2023年10月26日 17時0分

 第一生命保険は2023年度下期の一般勘定運用で、中長期的なリスク削減の取り組みの一環として、円建て債券の残高を積み増す。写真は円紙幣。2017年6月撮影(2023年 ロイター/Thomas White)

Tomo Uetake

[東京 26日 ロイター] - 第一生命保険は2023年度下期の一般勘定運用で、中長期的なリスク削減の取り組みの一環として、円建て債券の残高を積み増す。年度内に日銀が金融政策を修正すると想定し、金利上昇局面を捉えて30年物・40年物の超長期国債を中心に、一定のめりはりをつけた購入を検討するという。

26日に開催した資産運用計画説明会で、堀川耕平運用企画部長が明らかにした。

第一生命は上期に続き、下期も経済価値ベースの資本充足率の安定化に向けて市場関連リスクの削減に取り組む。超長期債券の積み増して金利リスクを、株式の残高を減らして株式リスクの削減を進める。

このうち円債は責任準備金対応債券である超長期債の積み増しと、事業債の積み増しで残高を増加させる。

投資対象となる超長期国債の年限について、堀川氏は「保険負債の年限が30年、40年以上なので、金利水準が上がったから20年とか短い物も買うということは基本的にはない」と述べ、従来通り、30─40年物の国債を買っていく方針を示した。

購入ペースについては、「年間計画に沿って一定程度、粛々と買う一方、金利が上がった水準で多めに買うなど、相場を見ながらめりはりもつける」という。

堀川氏は円金利について、「日銀による何らかの政策変更があれば、その結果、方向性としては上(昇)だが、複数回の利上げで金融引き締めをする環境ではないため、上方向の中で比較的落ち着いた動きになる」とみていることを明らかにした。

日銀の金融政策については、「来年1─3月期にマイナス金利の解除、あるいはイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の見直しか撤廃等の政策修正がされる」ことをメインシナリオと想定。「インフレや賃金の状況によっては、前倒しされる可能性も否定できない」と付け加えた。

外債は、為替ヘッジ付き・オープンともに「金利や為替の水準次第」として下期の増減の方向性を明示しなかった。

ただ、第一生命は昨年度に続いて上期もヘッジ外債の残高を大幅に減らし、足元ではヘッジコストが大きな問題にならない水準となっている。堀川氏は「ヘッジ外債はイールドカーブが立ってくる局面では十分投資リターンが狙える。ここから先は相場を見ながらしっかり検討したい」と話した。

国内株式は、経済価値ベースの資本充足率の安定化に向けた株式リスクの削減を目的に売却を行うため、上期に続き、残高は減少を見込む。一方、外国株式の増減はリスク許容度や株価水準次第という。

このほかオルタナティブ資産は、上期に続き残高を積み増す計画。ヘッジファンドはポートフォリオ全体のリスク分散につながる戦略に投資、プライベートエクイティは収益力向上を目指してバイアウトファンドやインフラファンドなどのリアルアセットへの投資を強化する。

不動産も、用途分散を目的とした新規投資や入れ替えにより、上期に続き残高を増加させる方針。

第一生命の一般勘定の資産残高は、3月末時点で33兆1039億円。うち外貨建て資産は4兆9378億円(14.9%)。

23年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本10年国債利回り  0.50―1.30%(0.90%)

日本30年国債利回り  1.50─2.30%(1.90%)

米10年国債利回り   3.50―5.50%(4.50%)

日経平均株価      2万8000―3万8000円(3万4000円)

NYダウ        2万9000─3万9000ドル(3万5000ドル)

ドル/円        130―155円(145円)

ユーロ/円       140―170円(155円)

(植竹知子 編集:久保信博)

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