24年原油需要見通し下方修正、中国減速で=モルガン・スタンレー
ロイター / 2024年8月26日 14時20分
米金融大手モルガン・スタンレーは、2024年の世界の原油需要見通しを前年比で従来の日量120万バレル増から110万バレル増に下方修正した。写真は2021年8月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)
[23日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは、2024年の世界の原油需要見通しを前年比で従来の日量120万バレル増から110万バレル増に下方修正した。理由として、中国の経済成長の鈍化、電気自動車(EV)の利用拡大、中国での液化天然ガス(LNG)トラックの増加を挙げた。
また24年第4・四半期の北海ブレント原油価格見通しを従来予想の平均1バレル=85ドルから80ドルに引き下げた。
同社のアナリストは22日付のノートで、中国の原油需要の伸びは、LNGトラックへの移行で日量10万─15万バレル、EVがガソリン車に取って代わることで日量約10万バレルそれぞれ引き下げられると分析した。
加えて、液化石油ガス(LPG)、エタン、ナフサの消費を押し上げる石油化学の生産能力の伸びは、石油化学製品の利幅が小さいため鈍化しているという。
これは石油輸出国機構(OPEC)が先週、今年と来年の石油需要の伸び見通しを中国の軟調な需要を一因として引き下げた動きと一致する。
モルガン・スタンレーは、原油市場は現在、需給が引き締まっていると指摘。在庫はここ4週間で日量120万バレル程度減少しており、この傾向は第3・四半期いっぱい続くと見込んでいる。ただ、夏以降需要が鈍化し、第4・四半期からはOPEC加盟国と非加盟国双方の供給が増加に転じるため、需給が緩み、25年には供給が需要を上回ると予想している。
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