韓国野党、大統領代行の首相への弾劾訴追案 27日採決
ロイター / 2024年12月26日 18時36分
12月26日、韓国の最大野党「共に民主党」は尹錫悦大統領の権限を代行している韓悳洙首相(写真)の弾劾訴追案を同日、国会に提出し、27日に採決にかける方針を示した。(2024年 ロイター/Yonhap)
Jack Kim
[ソウル 26日 ロイター] - 韓国の最大野党「共に民主党」は26日、尹錫悦大統領の権限を代行している韓悳洙首相の弾劾訴追案を同日、国会に提出し、27日に採決にかける方針を示した。政局の混迷が一段と深まる可能性がある。
同党は、欠員になっている憲法裁判所の裁判官3人を韓氏が直ちに任命しなければ、弾劾訴追案を提出する意向を示していた。
共に民主党の朴贊大・院内代表は「大統領職を代行する韓悳洙首相に憲法を守る資格も意思もないことが明らかになった」と表明した。
韓氏に対する弾劾訴追案は本会議に提出された時点から24時間以降72時間以内に表決する必要がある。尹氏の夫人、金建希氏を捜査する特別検察法案に対し、韓氏が拒否権を行使したことも弾劾の根拠として挙げられている。
韓氏の弾劾訴追案が可決されれば、企画財政相が大統領職を代行する。大統領代行を弾劾するには単純過半数か3分の2以上の賛成が必要かを巡って、政党間や一部の憲法学者間で見解の相違がある。
国会は裁判官3人の候補を26日に選出したが、韓氏の正式な任命が必要になる。韓氏は同日、各政党が裁判官の任命に同意するまで任命はできないと発言。政治的合意なしに任命すれば憲法秩序が乱れると述べていた。
3人の候補のうち、2人は共に民主党が、1人は与党「国民の力」が指名した。だが、与党側は候補者の内訳に異議を唱え、同意していない。
韓氏は任命を行うよう圧力を受けているが、大統領代行に任命権限があるかどうかについて政党間で意見が分かれている。
憲法裁は27日から尹氏の弾劾審理を開始する。弾劾された大統領を罷免するには、定数9人の憲法裁裁判官のうち6人以上の賛成が必要となる。現状では全員が賛成しなければならない。
合同捜査本部は26日、尹氏に対し29日に出頭するよう再度要請した。
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