欧州の航空需要見通しが再び悪化、規制強化で夏の旅行に黄信号
ロイター / 2021年1月27日 13時23分
1月26日、英国のザハウィ・ワクチン担当相は、夏季休暇に向けた旅行予約はまだ「完全に」控えるべきとだと訴えた。写真はロンドンの空港で2018年9月撮影(2021年 ロイター/Hannah McKay)
[ロンドン 26日 ロイター] - 英国のザハウィ・ワクチン担当相は26日、夏季休暇に向けた旅行予約はまだ「完全に」控えるべきとだと訴えた。ドイツ政府は欧州連合(EU)域内での新たな渡航規制を検討しており、欧州の航空需要回復を巡る不透明感が強くなっている。
ザハウィ氏は「現在も新型コロナウイルス感染症で入院している人が3万7000人もいる。夏について考えることさえ極めて時期尚早だ」と強調した。
シティのアナリスト、マーク・マンドゥカ氏はリポートで、規制強化とコロナ検査需要の増加で夏いっぱい「ストレスと摩擦」が強まる恐れがあり、投資家が現在想定しているよりも航空需要は「不完全な回復」になる可能性があるとした。
4月初旬のイースター(復活祭)休暇の旅行需要は既に、ほぼ絶望的とみられている。
独政府が渡航規制の強化を検討する中、メルケル首相は26日、与党議員に対し、「観光旅行」をゼロにすべきだと訴えた。
コロナ危機下でも各国政府はEUと欧州自由貿易連合(ETFA)の域内渡航の維持に努めてきた。しかし、スウェーデンは先週末に新型コロナ変異種の感染拡大を防ぐため、ノルウェーからの渡航を禁止した。ベルギーは不要不急の旅行を制限した。
英国は、一部アジア諸国の例に従い、入国者の一部に対する「隔離ホテル」での隔離義務化を検討している。
英格安航空会社(LCC)イージージェットとブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を傘下に置く英IAGの株価は5日間で14%下落し、11月以来の上昇の一部を帳消しにした。欧州LCCのライアンエアも5日間で6%値を下げた。
航空機メーカーはコロナ危機前の大量受注が危機の衝撃を和らげてきたが、一部のサプライヤーとエンジンメーカーは痛手を負っている。
英ロールスロイスは26日、航空機の飛行時間の急減で航空機エンジンの出力時間に対して課金する契約や保守サービスが悪影響を受けたとし、今年のキャッシュフローが20億ポンド(27億米ドル)のマイナスになると予想した。
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