情報BOX:過激派組織ISIS-Kとは、アフガン自爆攻撃関与か
ロイター / 2021年8月27日 14時33分
8月26日、アフガニスタンの首都カブールの空港付近で起きた自爆攻撃では、少なくとも13人の米兵が死亡した。写真はカブールの空港の衛星写真 (2021年 ロイター/ Maxar Technologies)
[26日 ロイター] - アフガニスタンの首都カブールの空港付近で26日に起きた自爆攻撃では、少なくとも13人の米兵が死亡した。米当局が関与したとみているのが過激派組織「イスラム国」(IS)系の「イスラム国ホラサン(ISIS-K)」で、その正体について現時点で判明している幾つかの事実を以下に示す。
-この地域の古い呼び名「ホラサン」に由来するISIS-Kは2014年終盤に初めてアフガン東部に姿を現し、過激な暴力を行使する存在としてあっという間に知れ渡った。
-西南アジアのイスラム武装組織に関する複数の専門家によると、ISIS-Kはパキスタンの治安部隊に追われてアフガンに逃げてきたパキスタン・タリバン運動のうち、分離した強硬派によって創設された。
-ISIS-Kは当初から、パキスタンとの国境付近にある麻薬などの密輸ルートにつながる重要地帯の支配権を巡ってイスラム主義組織タリバンに争いを挑んでいた。
-それと同時にカブールやアフガンの他の都市で政府や駐留外国軍を標的にした自爆攻撃を実行した。より過激で暴力的な軍事行動を辞さないという評判を得るのが狙いだったとみられる。
-実際、村落の老人たちを残酷に処刑したり、赤十字職員を殺害したりしたほか、国内少数派のイスラム教シーア派系住民社会への自爆攻撃を敢行した。
-ISIS-Kの活動は当初パキスタン国境付近の限られた範囲にとどまっていたが、やがてジューズジャーン、ファーリヤーブといった北部諸州で2番目に大きな勢力を確立。米陸軍士官学校テロ対策センター(CTC)は、ISIS-Kはアフガン人だけでなく、別の武装組織に属していたパキスタン人や、ウズベキスタンの過激派も吸収していると分析した。
-17年4月には、米軍が「全ての爆弾の母(Mother of All Bombs=MOAB)」と呼ばれる誘導式の爆弾を、ISIS-Kの拠点があったアフガン東部ナンガルハル州アチン地区に投下した。MOABは米軍が装備する非核爆弾としては最大の威力を持つ。
-ISIS-Kは一方で西側が支援するアフガン政府と、もう一方でタリバンとの闘争を展開。ただその行動がイラクとシリアに広がるISときっちり連携したものかどうか、まだ分かっていない。
-米情報機関は、ISIS-Kが西側の支援を受けたアフガン政府の崩壊につながった一連の混乱につけ入り、自らの足場強化やタリバンから脱落した構成員の取り込みを図ったとみている。
-最近攻撃の標的となったのは、イスラム教神秘主義者のモスク(礼拝所)や、送電塔、石油タンカー、カブールでシーア派住民が利用するバスなど。米当局によると、シーア派が多い少数民族ハザラ人の女学校への攻撃もISIS-Kの仕業とみられる。
この記事に関連するニュース
-
ラファ市東部でイスラエル軍と戦闘中=ハマス
ロイター / 2024年5月8日 18時39分
-
イラク武装勢力、イスラエルをミサイル攻撃 テルアビブ標的=関係筋
ロイター / 2024年5月3日 9時5分
-
「16歳でイスラム国(IS)の奴隷にされた」26歳女性が明かす6年半の絶望 「悪魔」の子どもも2人産まされ…クルド系少数派の悲劇
47NEWS / 2024年4月20日 10時30分
-
意外と早かったイスラエルの「報復」が意味する事 「暗黙のルール」に基づいた報復の応酬だが…
東洋経済オンライン / 2024年4月19日 20時0分
-
パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、1人負傷 警察が犯人射殺
ロイター / 2024年4月19日 18時57分
ランキング
-
1ガザ支援物資の搬送を妨害 ユダヤ人入植者が急襲
共同通信 / 2024年5月14日 11時52分
-
2トランプ氏が不倫口止め料支払いを個人的に指示、元顧問弁護士の証言
ロイター / 2024年5月14日 7時45分
-
3中国、国外在住1万2千人に帰国強制 日本からも3人 威嚇や拉致横行 人権団体が報告書
産経ニュース / 2024年5月14日 12時44分
-
4米報道、数日内のラファ侵攻可能=国連の国際職員、攻撃で死亡
時事通信 / 2024年5月14日 14時45分
-
5アムステルダム大学、警察が反イスラエル活動を排除
ロイター / 2024年5月14日 9時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください