韓国首相・企画財政相、為替介入に消極姿勢 微妙にスタンス修正
ロイター / 2022年7月27日 16時30分
7月27日 韓国の韓悳洙首相と秋慶鎬企画財政相は26日遅くの国会で、ウォンが13年ぶりの安値に下落していることについて、ドル高で多くの通貨が値下がりしており、ウォンもその一つだと指摘、ウォン安を阻止する積極的な措置が必要との一部の議員の主張を退けた。写真は韓国ウォン紙幣。2017年5月撮影。(2022年 ロイター/Thomas White)
[ソウル 27日 ロイター] - 韓国の韓悳洙首相と秋慶鎬企画財政相は26日遅くの国会で、ウォンが13年ぶりの安値に下落していることについて、ドル高で多くの通貨が値下がりしており、ウォンもその一つだと指摘、ウォン安を阻止する積極的な措置が必要との一部の議員の主張を退けた。
従来のスタンスを微妙に修正し、介入に消極的な姿勢を示した。韓国ではウォン安のメリットが出ているほか、国際原材料価格の高騰も和らいでいる。
韓首相は「(ウォン安は)ドル高が主因だ。一部ではドルは王者と呼ばれている」と発言。ドルの安定調達のために、昨年失効した米連邦準備理事会(FRB)との通貨スワップ協定を緊急に復活させる必要はないとの認識も示した。
秋氏も、当局が為替レートを人為的に操作すれば悪影響が出ると述べた。
ウォンは今年、対ドルで9.5%下落。昨年も8.6%値下がりしており、円を除くアジア通貨で下落率トップとなっている。
韓国当局は今年これまで、介入に積極的な姿勢を示しており、中央銀行が一連のドル売り介入を実施していた。
市場関係者は、当局の発言の変化について、最悪期は過ぎたと自信を強めているのだろうと指摘。ある為替ディーラーは「危機的な状況にならない限り、しばらくウォン安が続いても問題ないと考えているようだ」と述べた。
韓国の6月末時点の外貨準備は4カ月連続で減少、2008年の金融危機以来の大幅な落ち込みを記録した。ドル売り介入が一因だった。
現代自動車やSKハイニックスなど大手輸出企業はウォン安で為替差益が発生したことを明らかにしている。
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