ＥＵのウクライナ追加財政支援に難色、ハンガリーとスロバキア

１０月２６日、ハンガリーのオルバン首相は欧州連合（ＥＵ）首脳会議で、ＥＵ執行部提案の対ウクライナ追加財政支援に反対する考えを表明した。スロバキアのフィツォ首相も同調し、ウクライナでまん延する汚職を挙げて難色を示した。一方でリトアニア大統領やエストニア、ベルギーの両首相は支援拡大や継続を訴え、意見対立が露わになった。写真は２６日の会議（２０２３年　ロイター/カメラマンの名前）

Gabriela Baczynska

[ブリュッセル ２６日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は２６日の欧州連合（ＥＵ）首脳会議で、ＥＵ執行部提案の対ウクライナ追加財政支援に反対する考えを表明した。スロバキアのフィツォ首相も同調し、ウクライナでまん延する汚職を挙げて難色を示した。一方でリトアニア大統領やエストニア、ベルギーの両首相は支援拡大や継続を訴え、意見対立が露わになった。

首脳会議では、ＥＵが策定してきた２０２１年から２７年度までの多年度財政枠組みのうち、２４年度以降の４年間の計画改定について審議。改定には全会一致の承認が必要で、１２月の最終決定に向けて今回は最初の審議だった。

改定案の規模は１兆１０００億ユーロ（約１兆２０００億ドル）に及ぶ。ＥＵ執行部は加盟国の拠出額増加によりウクライナに５００億ユーロを供与することなどを提案したが、オルバン首相は「改定案に極めて正当な理由がある」と納得しない限り、追加財政支援を支持しない考えを表明した。

フィツォ首相はスロバキアによるウクライナ軍事支援を停止する方針を明らかにした。首相は首脳会議のあったブリュッセルからソーシャルメディアに投稿し「われわれは人道支援にのみ集中する」と書き込んだ。

首脳会議で非公開協議について説明を受けたＥＵ外交官２人によると、フィツォ首相はウクライナの汚職体質を挙げて、追加財政支援をしないように警告したという。